12日に急性心臓死で亡くなった、フォークデュオ、風の大久保一久(おおくぼ・かずひさ)さんの葬儀・告別式が16日、都内の斎場で、密葬としてしめやかに執り行われた。風でコンビを組んだシンガー・ソングライターの伊勢正三(69)も参列し「よく電話で話していた。とても元気だったのに…」とがっくりと肩を落とした。
伊勢はこの日、公式ホームページなどに、大久保さんを悼む「やさしかった久保ヤンへ」と題するコメントを発表した。
久保ヤンが「猫」、僕が「かぐや姫」のメンバーだった頃、出番前の楽屋の隅でいつも2人でギターの弦を張り替えながら、音楽の話をしたものです。
思えばその頃から、すでに、「風」は結成していたんだね。
「風」の頃の僕達は、朝から真夜中までいつも一緒だった。
再結成しようとしていた矢先に病気で倒れてから、長い間ほんとにがんばったね。
そして、朝方眠るように天国へ旅立ったと聞きました。
「風」は今でも解散宣言をしていないデュオ。
久保ヤンのやさしさがなかったら、「風」は存在せず、僕はただの孤独な男に過ぎなかったのです。
ありがとう、久保ヤン。おやすみなさい。
風は、伊勢と大久保さんによるフォークデュオ。75年、かぐや姫解散コンサート中に結成され、同年PANAMレーベルよりリリースされた「22才の別れ」がオリコン・シングル・チャート1位を4週連続で記録。その後も「あの唄はもう唄わないのですか」「ささやかなこの人生」などヒット曲を出した。