米俳優の銃誤射死亡事故で新たな訴訟「ロシアンルーレットに興じるも同然」

アレック・ボールドウィン(ロイター)

米俳優アレックス・ボールドウィン(63)主演の米映画「Rust」の撮影中に起きた銃の誤射で撮影監督が死亡した事故を巡り、「単純な過失ではなく、ロシアンルーレットに興じたようなもの」とスタッフがボールドウィンら関係者を相手取って新たな訴訟を起こした。暴力行為、故意に精神的苦痛を与える行為および故意に危害を加える行為に対する損害賠償を求めている。

ボールドウィンは先月21日にニューメキシコ州で行われていた撮影で、助監督から安全を意味する「コールドガン」だと告げられて受け取った銃を発射し、撮影監督のハリーナ・ハッチンさんが死亡し、ジョエル・ソーサ監督が負傷する事故が起きていた。警察の調べで、ボールドウィンが発砲した銃には実弾が装填されていたことが判明しているが、どのような経緯でなぜ実弾が撮影現場に持ち込まれたのかは捜査中で明らかになっていない。

この事件を巡ってはすでに照明責任者が先週、ボールドウィンと武器担当責任者、そして銃を手渡した助監督を相手取って訴訟を起こしており、これで2件目となる。新たに訴訟を起こしたのは、事故発生直後に緊急通報した記録係のメイミー・ミッチェルさんで、会見でボールドウィンは「銃の中身を自分で確認せず、武器係に自分の前で確認させることもなく銃を撃った」と述べ、その行為は「ロシアンルーレットに興じることも同然」と批判。また、台本ではホルスターに手を伸ばして銃をつかむシーンとなっており、ボールドウィンが銃を発砲するという記述はなかったことなども明かした。

銃は武器担当者以外が扱ってはいけないことや俳優に渡す際には弾頭が入っていないことを武器係が示さなければならないといった基本的な規範を無視したことで事故は起きたと主張。事故当時、ミッチェルさんはボールドウィンから1・2メートルほどしか離れていない場所におり、「トラウマを負い、ショックを受け、精神的並びに神経的な痛みと苦痛を経験した」と涙ながらに述べている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)