“三刀流”小川紗良が初フォトエッセー発売 自身を形成するルーツ振り返る

文筆家、映画監督、俳優と多方面で活躍する小川紗良(撮影・横山健太)

女優で映画監督の小川紗良(25)が、1日に初フォトエッセー「猫にまたたび」(blueprint)を発売した。演技、監督業に加え、執筆もこなす“三刀流”の小川が、日刊スポーツの取材に応じた。

映画、アニメ、アイドルなど、自身を形成する文化的ルーツをエッセーで振り返った。オファーには喜びと恐縮する気持ちが入り交じったが「25歳というタイミングで、自分を作ってきた作品やものを振り返る時間ができたのは楽しかった」と話す。

書籍では、大学時代に映画サークルの新入生歓迎合宿で相米慎二監督の「台風クラブ」を再現した思い出や、幼少期に芽生えた“ハロプロ愛”などさまざまな記憶をたどる。10カ月の執筆期間は、作品に触れ直すと同時に「自分自身にも集中して向き合えた時間だった」。新旧映像作品の魅力を紹介するレビュー的な側面もあり、「アニメ好きの人が引っ掛かってくれたり、好きな映画が増えたらうれしい。どこかフックにして、そこから興味が広がってくれたら。入り口は大きい本になったんじゃないかと思います」。

今年6月公開の初長編監督作「海辺の金魚」の舞台となった鹿児島・阿久根市でのポートレートや、映画製作の舞台裏をまとめた絵日記なども収録。大学時代の恩師・是枝裕和監督との対談も実現し「緊張しましたね(笑い)」と振り返る。同監督については「こっちが言葉を多く伝えなくても見えてるんだろうな、という気がすることがあります。不思議です」と笑みを浮かべる。

コロナ禍で役者業が停滞しても、「海辺-」の小説化を手掛けるなどクリエーターとしての手は止めず「書いたり作ったりしてきたことの芽が出た1年だった」と手応えを感じている。現在も定期的にコラムや映画評執筆を行うが、今後はさらに文筆業に力を入れていきたいという。小川は「役者業や映画を作っていたのとは全然違うところに届いている実感があったし、本は映画より手軽で、図書館にもある。またやりたいなという気持ちです」と意気込んでいる。【遠藤尚子】

〇…監督映画「海辺の金魚」のDVDも8日に発売。6月に行われた完成披露舞台あいさつの模様も収録し「映画のお披露目と本(小説版「海辺の金魚」)の発売が25歳の誕生日に重なって。こんなことがあるのかと、純粋にうれしかったです」と笑みを浮かべた。

◆小川紗良(おがわ・さら)1996年(平8)6月8日、東京都生まれ。19年早大卒。大学では是枝裕和監督の講義を受け、映画作りを学ぶ。同年NHK連続テレビ小説「まんぷく」などに出演。20年に映画「ビューティフルドリーマー」に主演。監督作「海辺の金魚」は小説も手掛けた。159センチ、血液型B。