「カムカム」効果でジャズ人気急上昇 るい命名由来サッチモベスト再生58倍

NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」

NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(月~土曜午前8時)の劇中で流れる、物語を彩るジャズが注目を集めている。

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同作は親子3世代を描く家族の物語。初代ヒロイン安子(上白石萌音)編から、ジャズ界の巨匠、ルイ・アームストロングの楽曲「On the Sunny Side of the Street」が物語の重要な要素としてたびたび登場する。昨年8月に「アームストロング生誕120周年記念ベスト」を発売したユニバーサルミュージックによると、全曲のデーリーストリーミング再生数は、昨年5月~10月末で1日平均約2万7000回だったが、ドラマ開始後の同11月~今年1月半ばでは約5万4000回に上昇し、2倍に。「Sunny Side」単曲のデーリー再生数は同期間比で58倍と、驚異的な伸びを記録する。

劇中で、安子の夫・稔はアームストロングから名前をとって娘をるいと名付け、安子がるいを伴ってジャズ喫茶を訪れるシーンも描かれる。成長したるい(深津絵里)も導かれるようにジャズに触れ、恋仲となるトランペッターの錠一郎(オダギリジョー)から「サッチモちゃん(アームストロングの愛称)」と呼ばれるなど、楽曲が物語を通した大きな軸となっている。

制作統括を務める堀之内礼二郎チーフ・プロデューサー(CP)は日刊スポーツにコメントを寄せ、ジャズの名曲が再注目されていることについて「ドラマ制作を通してこの曲と出会い、心から愛するようになった者の1人としてすごくうれしいです」。

歌詞の一節は劇中で「ひなたの道を歩けばきっと人生は輝くよ」と訳され、安子のせりふとしても登場する。堀之内CPは「生きるのが楽ではない時代です。つい、明るいところが苦しくなって逃げたくなったり、見えない裏通りで誇れることではないことをしたくなったりする時もあるかもしれません。それでも逃げずに、みんなのいる明るい場所で踏ん張って1歩ずつ歩んでいれば、きっと人生は輝いていくはず。制作チームもそう自分たちに言い聞かせながら、視聴者のみなさんにすてきなドラマを届けるために頑張っています」。そして「この歌にこめられた希望にあふれたメッセージが、ドラマを通してさらに多くのみなさんに届くことを心から願っています」とした。

“カムカム人気”で、ジャズへの関心はさらに増しそうだ。