<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>
ニッカンスポーツ・コムで注目俳優らを紹介するコラム「映画監督・谷健二の俳優研究所」執筆中の谷健二氏(45)演出の舞台「政見放送」(2月17~20日、渋谷・伝承ホール)を観劇した。予想を良い意味で裏切られた意外な展開と、個性あふれる俳優陣たちの演技もあり、あっという間に時間が過ぎていった印象を抱いた。
町長選挙の討論番組を舞台に、番組スタッフの思惑によって出演候補者の本性が次々と暴かれていく様子を描く。政治モノと聞くと堅いイメージがあるが、どちらかと言うとクスッと笑える場面の多い人間ドラマ。主演の馬場良馬(37)をはじめ、ダンカン(63)、藤田朋子(56)、北代高士(35)、元AKB48の島崎遥香(27)や木津つばさ(24)と年代もさまざまな役者が硬軟織り交ぜてそれぞれのキャラクターを熱演。場面転換は番組スタジオとその控室のみという中で、うまく構成された物語だったように感じた。
再演などの可能性が拭いきれないため細かな内容を記すことは避けるが、出演候補者たちの本性が暴かれたあとのラストシーンは個人的には全く予想していなかった展開に。番組スタッフ役の馬場と木津に、ダンカン、藤田のベテラン勢が絡んで物語を引っ張っていく。そんな中で、まだ2度目の舞台出演だった島崎の存在がいいスパイスになっていた。事前に島崎が「当て書きではないものの、ぱるるってこういう感じだよねって思ったんです(笑い)」という言葉の意味がわかった気がした。AKB48時代からのファンでも楽しめる舞台だったのではないだろうか。
谷氏は終演後「また同じメンバーで何かできたら」とも語っていた。それぐらいバランス良く、役者たちが共鳴していた「政見放送」。また違う形になったとしても足を運びたいと思える作品だった。