トランプ前大統領「プーチン氏は何度もNワード使っている」ロシア沿岸へ原子力潜水艦派遣を主張

トランプ前米大統領(2019年5月26日撮影)

トランプ前大統領が21日、ウクライナを侵攻したロシアのプーチン大統領に圧力をかけるため、原子力潜水艦をロシア沿岸に派遣すべきだと語った。

FOXビジネスに電話出演したトランプ氏は「プーチン大統領が何度もNワードを使っているのを聞いた。それを使い続けている。それはNuclear(核)だ」と述べ、ロシアは核保有国だが米国はより強力な核兵器を保有しているとコメント。米国には世界で最も素晴らしい原子力潜水艦、これまで製造された中で最も強力なマシンがあると語り、それをロシア沿岸に送って上下左右に航海させるべきだと述べた。

ウクライナに侵攻したプーチン大統領を「賢い」と称賛していたトランプ氏だが、ウクライナで起きている悲劇を続けることはできないと語り「何千人もの人々が死ぬのを許すことはできない」と一転してプーチン大統領を批判。大きな悲劇になる核を使用する必要はないとしながらも、それがなければプーチン大統領と話すことができないとの持論を展開した。トランプ氏は先日も、米軍は中国の国旗を掲げた戦闘機でロシアを爆撃すべきだと発言していた。

先月24日の侵攻開始から数日でウクライナの大半を制圧できると考えていた当初の予想を裏切り、ウクライナ軍の激しい抵抗に焦りを見せたプーチン大統領は、同27日に西側諸国がロシアのウクライナ侵攻を妨害するなら、核兵器を使用する用意があると警告。

しかし、第3次世界大戦に発展することを防ぐため、バイデン米大統領は米軍の軍事介入を避け、ウクライナ政府が求める飛行禁止区域の設定にも応じない姿勢を崩していない。米海軍によると、米国はオハイオ級原子力弾道ミサイル潜水艦14隻を保有しているという。(ロサンゼルス=千歳香奈子)