<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>
女優綾瀬はるか(37)主演のフジテレビの連続ドラマ「元彼の遺言状」(月曜午後9時)が、11日放送の初回視聴率が12・1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好スタートを切った。
17日付の日刊スポーツ本紙「日曜日のヒロイン」で綾瀬をインタビューした。コロナ禍で撮影が押しまくり、決定したスケジュールが2度、キャンセルになり、やっと実現にこぎつけた。
1度などは、若手のイケメンカメラマンから「綾瀬はるかのインタビュー、僕に決まりました よろしくお願いします」と電話をもらったのだが、「ごめん、さっきキャンセルになっちゃった」と言ったら、しばらく無言だった(笑い)。
その後に「じゃあ、一番偉い人を撮らせてあげるよ」とフジテレビの金光修社長(67)のインタビュー撮影の現場で一緒になった時に「綾瀬も2、3日中に決まるから。君を第一候補として優先するように写真部のデスクにもお願いするから」と言い聞かせたのだが「明日から海外出張なんです」と寂しげにつぶやいていた。
その出張はサッカー日本代表がオーストラリア代表に勝ってカタールW杯出場を決めた試合の取材。イケメンカメラマン君の強運を祝っていたら、帰国してからロッテ佐々木朗希投手の完全試合を取材するというスポーツカマラマン冥利(みょうり)に尽きる取材の2連発。人生というのは、かくも微妙にバランスを取るようにできていると納得した。
で、取材当日、次から次へと同じような質問のインタビューをこなさなくてはいけないのは主演女優の務め。ハードスケジュールに、むしろ周囲の方がピリピリだ。日刊スポーツも万全を期して記者2人、カメラマン1人の3人体制で取材に臨んだ。現場になったフジテレビ湾岸スタジオのすてきな応接会議室で、先に写真撮影を済ませてからインタビューということに決まった。
綾瀬が来る前に応接セットを動かして撮影用スペースを作ることになった。分厚いガラスが天板として乗っているテーブルを記者が動かそうとした時だ。ニュルリ~ンという感じで、ガラスの天板がゆっくりと台座から滑り降りていった。ドンガラガラガラガ~ン、湾岸スタジオ中に響き渡る(ような気がした)大音響。幸い、床が木製だったので天板は砕け散ることなく床に転がっている。
早く台座に乗せてスペースを作らねば。ところが、このガラスの天板が重い。まるで床に貼りついたがごとく、ビクともしない。2人掛かりでもダメ、3人でもダメ。綾瀬の取材予定時刻はどんどん迫ってくる(汗)。結局、古代エジプト人がピラミッドを作り上げてきたときの理論を応用したテコの原理を使って、なんとか天板を台座に乗せ終えた。そこへ、フジテレビの人が「綾瀬さん、スタンバイOKで~す」とやって来た。
平然を装ったが、もし天板を乗せようと四苦八苦しているところに来たら、いや割れてしまっていたらと考えるとおかしくてしょうがない。逆に「ラッキー」と思えてきたから不思議だ。
そして綾瀬の撮影、インタビュー。ハードなスケジュールにもかかわらず、綾瀬はほんわかムード。一緒にいるだけで、癒やされる。記者のくだらないジョークにもニコニコ笑いながら応じてくれる。不幸なカメラマンの話をすると「お仕事頑張ってうまくいけばいいですね」とエールを送ってくれた。
で、本題はドラマ「元彼の遺言状」だ。日本テレビで「干物女」「こじらせ女」「某国の元特殊工作員の人妻」、TBSでは「世界の中心で、愛をさけぶ」で髪を剃り、「ぎぼむす」で腹踊りと、常に驚かせくれた綾瀬が、フジテレビの月9で何を見せてくれるのか。いや、一時期の低迷から復活しつつある“フジのドラマ”が「ミステリという勿れ(なかれ)」の菅田将暉(29)に続いて、綾瀬という他局でドラマの実績を積み上げてきたスターを迎えて、どういう作品を見せてくれるのか注目していた。
原作の小説も読んだ。綾瀬演じるお金にも仕事にも貪欲な弁護士・剣持麗子の元カレが死んだ事件は、18日放送の第2話で解決してしまう。第3話からはオリジナルのストーリーが始まっていく。杉原憲明、小谷暢亮という連続ドラマでは未知数の脚本家コンビへの期待が膨らむ。
スタートの手応えはいい。原作では、ほとんど活躍しない大泉洋(49)演じる謎の男・篠田敬太郎とのコンビで、謎の事件を解決していく。綾瀬と大泉は初共演。綾瀬は極上の天然、大泉はしゃべくりまくりのノリツッコミ。金城綾香プロデューサーによると、現場は明るく、笑いが絶えないという。大物コンビが、ドラマの世界をどのように広げてくれるのか楽しみだ。【小谷野俊哉】