演歌歌手中西りえ(35)が4日、故郷・三重県伊勢市のシンフォニアテクノロジー響ホール伊勢で、デビュー10周年記念コンサートを行った。
開演前に日刊スポーツの単独インタビューに応じた。
-10周年を迎えました。今の思いを教えてください。
新曲を発売するごとに、ここで新曲発表会を開催させていただいているんです。今回は11回目で「デビュー10周年特別記念コンサート」という名前でさせていただきます。今までの集大成と言いますか、デビューからずっと応援していただいている地元の方の前で、しかも故郷で開催できるのでうれしいです。コロナ禍で、去年は仕事の延期が続いたので、今回はやっと普通に開催をできて一層うれしいです。
-故郷に帰ってきてどうですか
駅を降りて「ああ、懐かしいな」「帰ってきたな」という感じです。いろんな方が「あ、りえちゃん、お帰り」って話しかけてくださるので、地元って温かいなって思います。
-歌を通して伝えたいことは何ですか
デビューから「男歌」や「女歌」があり、はかま姿で歌ったり洋服で歌ったりドレスで歌ったり…。全部の曲の世界観が違うんです。今日はオリジナル曲をすべて歌います。今まで、皆さんに育てていただいた「中西りえ」の歴史や変化を感じてほしい。そして、今の「中西りえ」の気持ちを何か伝えられたら。歌の世界を届けられるように、1曲1曲大切に歌えたらなって思います
-時系列に沿って歌うのも意味があるのですね
やっぱり10周年だから、オリジナル曲は全部歌った方がいいってスタッフさんもおっしゃっていたので。最初のころは持ち歌が少ないのでカバー曲が多かったんです。今回はオリジナル曲ばっかりなので、違う意味ですごく緊張します。今回初めてコンサートにお越しいただく方もいらっしゃるので、ドキドキするというか、また別の緊張感あります。
-昨夜はよく眠れましたか
昨日は夜7時半に東京からこっちに着いて、取材や打ち合わせ、リハーサルなどをして布団に入ったのが午前1時すぎでした。
-久しぶりの実家の布団はどんな感じですか
実家のにおいって落ち着きますね。安心感がありました。
-10年を振り返って一番楽しかったこと、つらかったことは何ですか
デビューの2週間前に師匠(作曲家桜田誠一さん)が亡くなってしまいました。悲しんでいる暇もなくデビューして、デビューコンサートも地元で、泣きながら歌っていました。それが一番つらかったですね。それと、コロナ禍で歌える機会がなくなって、改めて自分を見つめ直しました。そして、うれしいのは、毎年新曲を発売させていただいていることです。
-今後、どういう歌手を目指しますか
昔から演歌も歌謡曲もアニソンもポップスも何でも好きでした。なので、これからもいろんな歌を、いろんな世界観を歌っていきます。私は「演歌歌手」っていうジャンルにはなるんですが、音楽って本来はジャンルがないものだなって思うので、いろんな歌が歌える歌手になりたいなって思います。
-自分にしかない武器は何ですか?
19年からYouTubeで、いろんな曲に挑戦しているのですが、アニメはアニソンの声で、特撮は特撮の声で、演歌は演歌の歌い方で、ポップスはポップスの歌い方で、自分の色は残しつつ、咀嚼(そしゃく)をしながら、歌の世界観を大事に歌っています。やっぱり演歌は「演じて歌う」なので。
-最後にファンにひとこと
おかげ様でデビュー10周年を迎えることができました。これからも1曲1曲大切に歌っていきたいです。そして新曲(アイツなんて)がヒットするように、これからも頑張りたいです。