松田聖子“母娘初共演”から20年、涙で全国ツアースタート 沙也加さんの思い背負い歌い続ける

松田聖子(2019年撮影)

歌手松田聖子(60)が11日、埼玉・さいたまスーパーアリーナで全国ツアーをスタートさせた。

昨年12月に愛娘・神田沙也加さんが35歳の若さで急逝して約半年。ライブ中盤には沙也加さんのデビュー曲で、思い出が詰まった「ever since」を1万8000人のファンに披露した。歌うことが大好きだった沙也加さんの思いを背負いながら、これからも歌い続けていく決意も語った。

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公演の中盤。聖子は沙也加さんのデビュー曲「ever since」を静かに歌い始めた。デビュー翌月の02年6月、「さいアリ」で初々しく同曲を初歌唱する娘を聖子は何度も涙を拭いながら見守っていた。そして「頑張ってやっていくと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします」と母の顔になってファンに応援を呼び掛けた。この“母娘初共演”は聖子、沙也加さん、そしてファンに特別な思い出として今も大切に語り継がれている。

「あれから20年の月日がたちました。でも、ついこの間のように覚えています」。あふれる涙を何度も拭きながら聖子は語り始めた。「生前、沙也加は皆さんのたくさんの応援をいただきました。本当に幸せだったと思います」。感謝を伝えた後で「娘は天国に旅立ってしまいましたが、私の心の中にはずっと生き続けてまいります。きっと今日も一緒に『ever since』を歌ってくれたと思います」。おえつで言葉に詰まると、1万8000人の温かい拍手が背中を押してくれた。「これからは沙也加と一緒に頑張って歌い続けていきたいと思います」。思いを吐露し、少しホッとしたからか、最後には「何か、沙也加に『しっかりしなさい』と怒られるような気がします」と泣き笑い顔で続けた。

沙也加さんの死去以来、ショックで芸能活動を休んでいた聖子は4月9日のディナーショーで112日ぶりにマイクを握った。それから約2カ月がたったこの日に本格的な歌手活動を再開。今後は大阪、東京、福岡、愛知の5都市を回り計12公演を開催する。沙也加さんはいつも「ママが歌っているのが大好き」と言っていた。大好きなママでい続けるためにも、聖子はこれからも歌い続ける。