田中泯「戦争反対って言ってしまう人間」 ロシアのウクライナ侵攻時に映画公開の意義訴える

映画「峠 最後のサムライ」公開御礼舞台あいさつに登壇した田中泯(撮影・村上幸将)

田中泯(77)が18日、東京・丸の内ピカデリーで行われた主演映画「峠 最後のサムライ」(小泉堯史監督)公開御礼舞台あいさつの檀上で、ロシアがウクライナに侵攻している今、この作品が公開を迎えた意義を強調した。

「峠 最後のサムライ」は、司馬遼太郎氏の名著「峠」の初映画化作品。1867年(慶応3)年の大政奉還で260年余りに及んだ徳川幕府は終焉(しゅうえん)を迎え、諸藩は東軍と西軍に2分し、翌年の鳥羽・伏見の戦いを皮切りに戊辰戦争が勃発。主演の役所広司(66)が演じた越後の小藩、長岡藩の家老・河井継之助は東軍、西軍いずれにも属さない武装中立を目指し、戦争を避けようとしたが、和平を願って臨んだ談判は決裂。そのため、徳川譜代の大名として義を貫き、西軍と砲火を交える決断を下す物語。

映画は当初、20年9月25日公開を予定していたが、コロナ禍で3度の公開延期を余儀なくされ、前日17日に、ついに公開。撮影からは、3年半が経過していた。その中、今年2月にロシアがウクライナに侵攻する事態が勃発した。

そのことを受けて、田中は「もちろん役は、必死でやるわけですけれども…。一方で、今、これからの世界で生きている私として、時間は、どんどんたっていくわけですけれども、この時期に映画をご覧になった方は、きっと今、世界に起きていることとダブることは、あると思う」と熱っぽく語った。さらに

「僕は戦争反対って、言葉に出してハッキリ言ってしまう人間なんで。すごい時に、この映画は上映されたなと思います」

と声を大にした。そして「共感を感じましたら、さらに共感のバイブレーションを増やせる人に、語り継いでいただきたい」と客席に訴えかけた。

田中は劇中で継之助の父代右衛門を演じた。役どころについて「お父さん役ということに、やや不満を持っていました。3日前に、もう1度、見ましたが…お父さん、やっていました。1番、思ったのは引退、隠居は嫌だなと。それが1番の思いかなと」と言い、笑った。

舞台あいさつには、松たか子(45)香川京子(90)榎木孝明(66)EXILEのAKIRA(40)も登壇した。