西川のりお節がミルクボーイに爆発 芸能界生き残るには「嫌われろ」内海崇、駒場孝あ然「……」

「のりおよしお主義」を展開した西川のりお(左から3人目)上方よしお(同2人目)と、ミルクボーイの内海崇(右端)駒場孝(撮影・村上久美子)

ベテラン漫才コンビの西川のりお(71)上方よしお(69)が5日、大阪市内で、全国6カ所をめぐる「吉本興業110周年感謝祭 のりおよしお主義~漫才師の主張~2022全国ツアー」の発表会見に臨み、後輩のM-1王者ミルクボーイに、芸能界生き残りのために「嫌われろ」「悪人になれ」と説いた。

毒っ気満載ののりお節が爆発した。まず、好感度は低くないミルクボーイに向かい、「好感度高いやつ嫌いや」からスタートした。

「芸人は、ほめ殺しから崩れていく」

「いい人はおもろない」

「大物の悪口言いたかったら、陰口たたけ」

「後ろめたく生きろ」

これに、漫才を愛し、マジメで知られる内海崇(36)駒場孝(36)は「……」。のりおは「これで50年(芸能界を)生きてきたんやから。俺は根性ない、陰口たたく、ねたむ人間。こんな僕がクビにならない会社」。吉本興業に感謝しながらも、「今僕はここにいて、会社は受け入れてくれてる。普通やったら、影も形もないで」。身を削って、芸能界サバイバルを生き抜いたすべをまくし立てた。

実際、のりおはかつて、言いたい放題が過ぎて吉本幹部の怒りを買い、スケジュールをすべて白紙にされたこともある。テレビ局では小道具を破壊し「出禁」。当時はやっていた中国映画にならい、上沼恵美子を膝蹴りし、しばらく出演できない局もあった。

のりおいわく「でも、いい人はおもろない。マジメな芸人もおもろない。ヒールの方が残るんや」。その心は-。師匠の西川きよしと上方漫才をけん引した故横山やすしさんと、故立川談志さんの存在だった。

「僕の原点はやすし師匠と談志師匠にあります」

自由奔放な芸風でも、ファンからは愛された。のりお・よしおは80年代後半の漫才ブームで世に出た。当時、人気絶頂だった同世代に「ザ・ぼんち」がいた。

「ぼんちなんか、女の子にすごい人気。こっちは嫌われるばかり」

ぼんちの2人はいったん解散し、俳優、別コンビを経て、後年に再結成したが、のりお・よしおは、途切れることなく継続してきた。その自負は強い。隣でうなずき続けたよしおも「爪痕しっかり残さんと!」と内海、駒場に説く。

あっけにとられていた内海は「普通、のりおさんがここまで暴走したら、よしおさんは止める立場ですけど…。すごい」と、ツアータイトル通りの「のりおよしお主義」に感心しきり。駒場は「今となっては、後輩から『好きや』と慕われてますからね」と、半ば納得した様子で、残念ながら? マジメに聞き入った。

朝から大暴れの「のりおよしお」。会見後の写真撮影が終わってもまだしゃべり続け、律義に背筋を伸ばしてミルクボーイもじっと見守った。が…実は、ミルクボーイには、なんばグランド花月の出番が迫っており、先輩が退かないゆえ、先に退出できなかったようで、スタッフに促され、出番へ向かった。

全国ツアーは7月10日に三重・adsホールでスタート。ミルクボーイは大阪(8月14日、クールジャパンパーク大阪TTホール)福島(来年1月21日、須賀川市文化センター)にゲスト出演する。