米遊園地「セサミプレイス」で相次ぐ着ぐるみキャラクターによる人種差別的な言動が物議を醸す

幼児向けの米人気教育番組「セサミストリート」をテーマにした米ペンシルベニア州にある遊園地「セサミプレイス」で、着ぐるみのキャラクターによる人種差別的な言動を映した動画がSNSに相次いで投稿され、物議を醸している。

1つ目の動画はパレード中に撮影されたもので、触れ合おうと腕を伸ばす黒人少女(6)2人を人気キャラクターのロジータが拒否するように手を振って通り過ぎる様子が映っている。動画を撮影した母親は、「子供たちに露骨に“NO”と伝えた後、隣にいた白人の女の子とはハグをした」と訴えている。また、キャラクターのホンカ-が黒人の少女に近づいた際におなかで突き飛ばして地面に押し倒したように見える別の動画も動画投稿アプリのティックトックに投稿され、拡散されている。

セサミプレイスは、ロジータの動画に関して声明を発表し、この家族が経験したことに対して謝罪したものの、「意図的に無視したわけではない」と釈明。「衣装のせいで低い位置が見えにくいことがある」などとキャラクターに扮(ふん)したスタッフを擁護し、「誤解があったことにショックを受けている」と述べたことが炎上し、批判が相次いでいる。この説明に納得ができない被害者家族は、キャラクターに扮していた従業員の解雇を求める事態に発展しており、訴訟を辞さない構えを見せている。この動画は、23日時点で88万回以上再生されている。

1969年に米国で放送が始まったセサミストリートは、かつて全米の未就学児の95%以上が視聴した最も評価の高い教育番組として知られ、世界150以上の国と地域で放送されている。過去に反人種差別をテーマにした特別番組も放送しており、2017年には自閉症のあるキャラクター「ジュリア」、21年には番組初となるアジア系のキャラクター「ジヨン」も登場している。積極的に人種差別や貧困などの米国の抱える社会問題を取り上げてきただけに、批判の声も大きい。連邦議会黒人議員幹部会は、セサミプレイスの代表に対して改善策や従業員の教育などについて話し合うことを要求しているとFOXニュースは伝えている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)