【悼む】島田陽子さん分岐点は米テレビドラマ「将軍」オールヌード体当たり演技で「国際女優」へ

日米合作映画「将軍」のまりこ役に決まり、主演のリチャード・チェンバレンと記者会見をする島田陽子さん(1978年7月撮影)

<悼む>

女優の島田陽子(しまだ・ようこ)さんが25日、都内の病院で死去した。69歳だった。

    ◇    ◇    ◇

清純派からスタートし、女優の王道を歩んでいた島田陽子さんの分岐点となったのが米テレビドラマ「将軍 SHOGUN」への出演だったと思う。27歳にしてゴールデングローブ賞のドラマ部門で主演女優賞に輝いた。

19歳で出たドラマ「続・氷点」で清純派として注目され、21歳で出た「われら青春!」の教師役でお茶の間の心をつかみ、大女優への階段を着々と上っていた彼女が、一足飛びに「国際女優」と呼ばれるようになったのだ。

知的でありながら、包み込むような笑顔が島田さんの魅力で、「将軍-」に抜てきされたのもそんなまろやかな「和風キャラ」が米国の制作者の心をとらえたのだと思う。米国スタッフの熱意に応え、オールヌードも披露する体当たりの演技は確かに主演女優賞にふさわしかった。

が、ハリウッド製作の映画やドラマでアジア人女性の大きな役は、まだ多くはなかった。大きく踏み出した足を戻すのは難しい。国内の仕事も減らすことになった。

私生活でもいちずなところがあり、35歳の頃には妻子ある内田裕也さんへの思いを抑えきれず、この時に貢ぎ続けたことが後に多額な借金としてのしかかる。4年後にはヘアヌード写真集を発売。後半生はトラブルが少なくなかった。

人生に「もし」はないかもしれないが、「将軍」が無かったときの島田さんのその後を想像する。中学生の時に見た「続・氷点」があまりに魅力的だったゆえ、粛々と歩み、誰もが認める大女優となった姿も想像する。が、竹を割ったようなところがあった人だけに、彼女なりに真っすぐに生きた女優人生に後悔はなかったのだと思う。【相原斎】