斉藤由貴の長女水嶋凜 女優、歌手、制作も「全部楽しい。全部やりたい」と貪欲 活躍に期待

水嶋凜(2022年3月撮影)

<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>

女優斉藤由貴(55)の長女で女優水嶋凜(22)が母の名曲「予感」をカバーして歌手デビューするということで、先日、インタビューを行った。

前回の取材は、水嶋が「シンデレラストーリー」で初ミュージカル、初主演が決まった時。柔らかい印象と、芯の強さが垣間見られた。ほんの数カ月後の取材だったが、少し話し慣れたのか、はきはきとした雰囲気も加わっていた。

取材の場では「予感」の、仮の仮の歌入れしたものを聞かせてもらった。母譲りの透明感のある、ソフトな声で、予想した以上にいい雰囲気の歌になっていた。ミックスボイスという、裏声と地声の間の声で、制作側は「いそうでなかなかいない」声の持ち主なのだという。ミュージカルのためのボイストレーニングで、「出せない音が出せるようになった」と話していたので、仮歌よりさらに進化するはずだ。

「予感」でデビューするにあたり、水嶋は、歌い方や雰囲気を学ぶため、あらためて斉藤の「予感」を聞きなおしたそうで「尊敬するしかないです。1つ1つの言葉、表現の仕方がすごい」と感嘆。その上で「あまりコピーしてもつまらない。お母さんは色気が強いですが、私はまっすぐでいい。軽すぎず重すぎず、自分の感情を積み上げたい」と話していた。

アドバイスはありましたか? と聞くと「アドバイスは特に…。すみません。エピソードがあまりなくて」と苦笑いした。2世俳優、女優の場合、両親のことを聞かれるのが常なのだが、水嶋は嫌がることも困惑することもなく、本当に自然体。今後、気持ちが変化するのかもしれないが、「予感」の歌い方にしても、母は母、私らしく、の思いが伝わる。

水嶋は、母とたった1度、高校時代にカラオケに行った時のエピソードも楽しそうに語ってくれた。母の曲も歌ったそうで「(母は)うれしそうで『ジーンとくる』って言ってました」と明かした。ちなみに、カラオケに対する斉藤の反応は「1時間でこんなに楽しいって、カラオケっていいね!」という新鮮なものだったという。

歌手デビューに加え、美大で映像制作を学んだ経験を生かし、MVもセルフディレクションする。コンテから書き、3つの時間軸を交錯させるストーリー仕立てのMVを組み立てた。取材時はまだ撮影前ということだったので、完成したものを見るのが楽しみだ。

「たくさんの人に聞いてもらうのはちょっと恥ずかしいけど、たくさんの人に聞いてもらうということは大事なこと」と、淡く意気込みを語ったのも初々しかった。

女優、歌手、制作という活動になるが、「全部楽しい。やれるなら全部やりたい」と貪欲だ。これからの活躍に期待したい。【小林千穂】