国内最大級のファッションイベント「東京ガールズコレクション(TGC)」が11月19日、北九州市・西日本総合展示場新館で開催される。北九州市での開催は3年ぶり6回目。TGCの地方都市開催では、異例の回数だ。その旗振りを担ってきたのが、地元有識者会議の元メンバーでコンサルティング会社を経営する佐藤竜司氏。
佐藤氏に、地方活性におけるTGC開催の意味について聞いた。
女性活躍推進の活動に力をいれてきた佐藤氏。北九州市は若者や女性が楽しめるイベントが少なく、活性化を図りたいとの思いからTGCを誘致した。
元々は新日鉄(現在は日本製鉄)の企業城下町だった北九州市。かつては日本を代表する炭田だった筑豊への入り口として知られた。まさに高度経済成長期を支えた地域だったが、産業が落ち着いた現在は、新たな街づくりが大きな課題となっている。だが、ここ数年は人口の減少も深刻で、「魅力ある街づくり」が大きなテーマになっていた。
7年前の15年に「若者と女性が楽しめるものがなく、福岡市に遊びに行くことが普通になっているなら、福岡にはない若者や女性が熱狂して楽しめるものを持って来たらいいと考えました」と振り返る。
TGC開催の意味については「常にアイデアを出し合い、いかにワクワク感を創出できるかが重要です。他の地方に先駆けてTGCが開催出来れば、必ず北九州活性化の起爆剤となる。と言うのも、TGCが他のイベントと異なっているのは、モデルを起用した単なるファッションショーではなく、お笑いや第一線のアーティストのコンサートなどたくさんのコンテンツを盛り込んでいること。今の若い子は時代に敏感です。ですからフェスとかコンサートなどはどこでもやっています。そう言った意味でも他の都市との違いを出し、地方創生という観点からも他ではやってないものを持ってきたかったのです」。
佐藤氏は福岡県や北九州市と折衝し、TGCの運営会社であるW Tokyoとの連携を模索した。
「当時、TGCの地方創生プロジェクト第1弾として、東京開催と同様の構成で行われる地方初のイベントとなりました。ただ、通常でしたら福岡市となります。ところが、そこで北九州市となったのが重要なことなのです。もし、福岡市で開催だったらTGCのインパクトもなかったように思います」
本来ならあり得なかった北九州市での開催だったからこそ、あらゆる面で注目度を高めたのではないかと佐藤氏は指摘する。
「とにかく若者層からの評判も高く街の活性化を図るための大きな起爆剤になったことは確かです。何と言っても20億円を超える経済効果がありました。TGC北九州の開催を通して、北九州に新しい潮流を作り出し、前に進んでいくという北九州市の取り組みが全国から注目されたことはうれしかったですね。しかも、地方創生や町おこしのモデルケースになったことです。現在は東京以外、全国各地で北九州開催をモデルとしてTGCが開催されています」
佐藤氏の取り組みが、結果として6回目という地方開催としては異例の回数を更新する原動力になったと言われている。今やTGC開催は北九州市の風物詩にもなっている。
「新型コロナウイルスの感染拡大の中で開催が2年間見送られてきましたが、再びTGCの開催が決まったのは、やはり我々の努力が関係各方面に認められるようになったからだと思います。これまでTGCを開催したことで街に活気が出てきた。ここまで盛り上がりを閉ざすわけにいかないのです。とにかく夏は”100万祭り”そして秋は”TGC”という流れを築いていきたい」と話す。
北橋健治・北九州市長もTGC開催に向けて「北九州市は『SDG’s未来都市』として、特に昨年からは『北九州SDG`sマンス』と位置付け、乗降者数が九州2位となっている小倉駅を中心に『HELLO! SDGs FUTURE CITY』として、北九州を訪れた人たちを歓迎するなどPR活動を展開している。北九州市だからこそのイベントが実現していきたい」としている。
ちなみに、北九州市の出身者には有名人が多い。高倉健さんをはじめ俳優草刈正雄、ハリウッド俳優として人気になった吉川銀二、さらには歌手香田晋、山本リンダ、タレントのつるの剛士などもいる。また、国際政治学者の舛添要一元都知事や野田聖子衆議院議員、大前研一氏などがいる。