三遊亭円楽さん「稽古不足」口癖 誰に教わったのか、その話の流れを重視「落語の系譜」大切に

6代目「三遊亭円楽襲名披露」の東京公演を行った6代目三遊亭円楽さん(2010年10月撮影)

日本テレビ系「笑点」メンバーとしても知られる落語家三遊亭円楽(さんゆうてい・えんらく)さん(本名会泰通=あい・やすみち)が30日、肺がんのため亡くなった。72歳。

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▽三遊亭円楽さんアラカルト

◆完璧を求める 高座でうまく話せないと、「稽古不足」と口癖のように言っていた。若くして多くのテレビに出演し、十分な稽古ができなったことを晩年まで悔やんでいた。

◆こだわり 「落語の系譜」を大切にした。大落語家がまだかなり多くいた時代。誰に教わったのか、その話の流れを重視した。

◆意外にかわいがられた 「笑点」の大喜利では桂歌丸さん(故人)に毒づいたり、腹黒キャラでいたが、先輩落語家からはかわいがられていた。特に10代目金原亭馬生(故人)からネタ帳を見せてもらったという。中にはネタの概要、話すときの注意点などが明記されていたという。「我々でも見たことがないのに」と、馬生師匠の弟子からはうらやましがられたらしい。

◆後輩には愛を 「宮治(桂宮治)はうるせぇよな」とか、「伯山の後だと、そこかしこにつばきで飛んできたねぇんだよな」などと毒舌をはいていたが、実は面倒見はよかった。8月の東京・国立演芸場での高座に桂宮治が訪ねていった時には舞台上で、「戻ってくるまで『笑点』を守ってくれよ。頼んだぞ」などと声を掛けたという。

◆大量差し入れ 「笑点」の収録のたび、自宅近くのパン屋で購入したパンを100個ほど差し入れた。また、7月の「土用の丑(うし)の日にはスタッフ全員に「うなぎ弁当」を差し入れていた。