是枝裕和監督(60)が19日夜、東京ミッドタウン日比谷・日比谷ステップ広場で行われた、日比谷シネマフェスティバル2022で開催された、第4回トロント日本映画祭in日比谷に登場した。この日は、18年のカンヌ映画祭で最高賞パルムドールを受賞した「万引き家族」が上映された。同監督は今後の新作の構想を聞かれ、日本の歴史上のトピックスやアジアを舞台にした作品、加えて他の脚本家とタッグを組む方向性を示唆した。その理由として「自分が書ける人間の範囲が、自分の中で見えてきていて突破するため」と説明した。
是枝監督は、19年に初めてフランスとの国際共同製作で映画「真実」を製作。今年は初の韓国映画「ベイビー・ブローカー」を製作し、カンヌ映画祭では主演のソン・ガンホ(55)が、韓国人俳優として初の男優賞を受賞と2作連続、海外で映画を製作。次回作について問われ「取りあえず、次は日本で…」と答えた。23年1月12日には、森七菜(21)と出口夏希(20)がダブル主演したNetflixドラマ「舞妓さんちのまかないさん」が全世界で配信される。
その上で「この10年、コロナもありましたけれども、その前の10年に比べれば、たくさん作品が作れて本当にハッピーだった。その中でも実現し得なかった企画が、片手では数えられないくらいあって。それを、もう1度…ちゃんとハードなものを」と語った。その上で「日本の歴史を、さかのぼって、やりたいトピックが幾つかあって、そういうものをやるか、アジアを舞台にしたものをやるのか…」と構想の一端を明かした。
その狙いについて「撮りたいものは、ずっと途切れずにありますね。ただ、自分がオリジナルで書こうと思った時に、やや自分が書ける人間の範囲が、自分の中で見えてきていて」と、オリジナル脚本を書く際に思っている課題を語った。その上で「それを突破するために、例えば歴史上の人物を描いてみたりとか、他の脚本家と組んでみたりとか…この先、やってみようかな。自分の中から出てこない、人物像みたいなものは自分の映画の中で動かしてみようかな、という気持ちに、今はなっています」と語った。
ただ、詳細は語らなかった。是枝監督は「いろいろな構想はあるんですけど、変なジンクスがあって、次はこれをやりたいんです、というと実現しない。結構、続くもんですから、なるべく具体的には、特定しないようにしゃべっています」と笑った。