山田杏奈(21)が25日、都内で開催中の東京国際映画祭コンペティション部門に出品された主演映画「山女」(福永壮志監督、23年公開)に登壇。「初めて台本を読んだ時は、今までにないような題材を今、撮るということが、すごく面白いなと思いました」と作品の印象を語った。一方で、劇中で漢字で書かれた、りんどう(竜胆)を「読めなくて」と苦笑した。
「山女」は、柳田国男が岩手県遠野の逸話、民話をまとめた「遠野物語」に着想を得て、福永監督が製作したオリジナルの物語。山田は、冷害による飢えに苦しむ18世紀末の東北の村を舞台に、人々からさげすままされながらもたくましく生きる少女・凛を演じた。凛はある日、父親伊兵衛(永瀬正敏)が村中を揺るがす事件を起こすと、家を守るために村人から責められる父をかばい、自ら村を去り、決して越えてはいけないと言い伝えられる山神様のほこらを越え、山の奥深くへと進む。狼から逃げる凛の前に、化け物なのか人間なのかも分からない不思議な存在が現れる。
山田は、演じた凛について「役としては、すごく過酷な人生を生きている女の子。そこは、しっかりと考えて演じたいな、と思ったし、私でどうですか? と(オファーで)言ってもらえて、うれしかった」と語った。質疑応答で、観客から「気になるシーンで、白いりんどうがあった。込めた思いは?」などと質問が出た。山田は「そうですね…私、りんどうって漢字で書いてあったじゃないですか? 読めなくて調べました」と自ら明かした。
福永監督は、製作の経緯について「海外で長いこと、住んでいた経験を通して日本、日本人のルーツに興味が湧いてきた。その中で民話は、過去の文化、風習、精神性がタイムカプセルのように凝縮されている。昔の人、信仰を探れるんじゃないかと。その中で民話、伝説とか読んでいく中で『遠野物語』にリアリティーがあり、引かれて、世界観を映像で表現したいと思いまして」と説明。その上で「民話が信じて、語られていたであろう時代に戻して、この設定になった。いかに今、作るべき作品にするか話した。男女差別、追い詰められた集団が弱い個をターゲットにすること…コロナ禍でも起きた、現代に繋がることをテーマにして、最終的にこんな話になった」と続けた。