俳優柄本佑(35)が24年のNHK大河ドラマ「光る君へ」で、主人公紫式部の“運命の相手”となる藤原道長役を務めることが決まり8日、同局から発表された。07年「風林火山」、19年「いだてん~東京オリムピック噺~」に続く3度目の大河出演。この日都内で行われた会見に主演吉高由里子(34)とそろって登壇し、心境や意気込み、家族の反応などを語った。
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道長役として紹介されると、柄本は「若干緊張していますが、よろしくお願いします」と笑顔。藤原家の名門に生まれ、兄たちの陰に隠れながらもやがて政治の才を発揮していく役どころだ。平安貴族の頂点に立つ男を演じることになり、「皆さんがイメージされる道長ではなく、人間味と奥行きがあるように、年齢によって違った表情を見せていけたら」と意気込んだ。
吉高とは、今作の脚本を手がける大石静氏による20年の日本テレビ系ドラマ「知らなくていいコト」で共演。「そのドラマが非常に楽しくて刺激的だった」とし、オファーも「この座組に入れることがとにかくうれしくて。ぜひやらせてください」と二つ返事だったという。吉高から「想像もできないような、瞬発力のあるお芝居をされる方」と評されると、柄本も「それを受けてくださる度量がある」と強い信頼を語った。
壮大な恋愛長編「源氏物語」を書き上げた紫式部の物語。大きな影響を与えたパートナー道長との恋模様も描かれる。吉高演じるまひろ(紫式部)とは幼少期に出会い、身分の差がありながら生涯にわたりひかれ合う。吉高は柄本の魅力について「たたずまいや声の体温、話し方も優しさを醸し出しているし、フワッとした感じのアンニュイさも色気なんだろうと思う」と話した。
「源氏物語」の主人公光源氏のモデルといわれる、女性をとりこにするような男性像を体現することになるが、柄本は「大石さんからひとつ言われたのは『若い時、すね毛を剃ってくれない?』と。足をきれいにしてくれと、要望をいただきました」と笑わせた。
2人の愛憎関係が軸の1つとなるだけに、ラブシーンにも注目が集まる。制作統括の内田ゆきチーフ・プロデューサーは「日曜(午後)8時に家族で見ていただきたいので、あらわに描くことは目的ではない」としつつ、「キャーッてなるくらいにはやりたい」と語った。【遠藤尚子】
◆藤原道長(ふじわらのみちなが) 966年(康保3)に生まれたとされる、平安時代の公卿(くぎょう)。996年に左大臣となって政権を握ると、娘を天皇の后(きさき)にすることで権力を増していき、1016年には摂政に。「この世は私のもの」と詠んだ和歌「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 虧(かけ)たることも なしと思へば」は有名。33~56歳にかけての日記は「御堂関白記」と呼ばれる。
○…柄本佑は俳優一家だ。長丁場の撮影となるため、妻の女優安藤サクラ(36)には事前に出演を伝えたという。「やらせてもらうことになったよと言ったら、一瞬止まって『ちょっと、もう1回言って?』と言われました」。父柄本明(74)や弟時生(33)には知らせておらず「みんな同じような仕事をしているので、今日まで言わなくてもいっかと思って」と笑った。スポーツやニュース番組を中心に見る家庭で育ったが「日曜8時に大河を見ることは欠かさなかった。どんなリアクションをするのか、若干楽しみではあります」と期待した。
◆柄本佑(えもと・たすく)1986年(昭61)12月16日、東京都生まれ。03年「美しい夏キリシマ」で主演デビューし、キネマ旬報新人男優賞などを受賞。主演映画は19年「きみの鳥はうたえる」「火口のふたり」、ドラマは今年NHK「空白を満たしなさい」、日テレ「初恋の悪魔」などに出演。両親は柄本明と角替和枝さん。義父母は奥田瑛二と安藤和津。