三谷幸喜氏が菊池寛になりきり「鎌倉殿の13人」への思い語る 「第七十回菊池寛賞」受賞 

「第七十回菊池寛賞」贈呈式に出席した三谷幸喜氏

演出家、脚本家の三谷幸喜氏(61)が「第七十回菊池寛賞」を受賞し、2日に都内で行われた贈呈式に出席した。菊池寛氏になりきったようなはかま姿で登場し、ユーモアたっぷりに喜びを表現した。

受賞者のスピーチで「僕自身は1回もそう思ったことがないんですけど、よく人からは『君は菊池寛には似ているね』って言われます」と切り出した。「思い返せば中学生の時。『お前にそっくりな文豪がいるよ』と言われ、菊池寛先生の写真を見て衝撃を受けました。こんな感じの文豪もいらっしゃるんだな、と。あちらが菊池寛先生です」と会場に置かれた菊池氏の写真を紹介し、笑いを誘っていた。

受賞を受けて「本当に光栄だと思っております」と喜んだ上で「今日のために髪形も変えまして。メガネも買って。眉毛も整えました。ここまで菊池寛になりきろうした受賞者が、今までいたでしょうか」と尋ね、笑わせた。

「菊池寛先生は、『つまらない現実よりも、おもしろいうそを』とおっしゃっておりました。僕も『鎌倉殿の13人』を書く時に、それが一番のモットーでした」と明かした。「もちろん歴史物なので、実際あったことを覆すことはできないんですけど、歴史の教科書を参考書にしたくなかった。多少のフィクションも必要だと思って、1年間書き続けました。きっと泯さんもお喜んでいただけたんじゃないかなと思っております」と伝えた。

「大衆が何を求めているか、先生はずっと考えていらっしゃったと思います。それは僕のテーマにもなっています」と感謝し、「今は見た目しか近づけていないんですけど、ゆくゆくは『第二の菊池寛』と言われるようになれればと思います。今日は見た目ふざけてしまったので、真面目な感じでまとめてみました」と締め、拍手を浴びた。

大学在学中に劇団「東京サンシャインボーイズ」を旗揚げ。以来40年にわたってコメディーから放送中のNHK大河ドラマ「鎌倉度の13人」などのシリアスな歴史劇までさまざまな舞台、テレビドラマ、映画を生み出し続けている。

三谷氏のスピーチの前、あいさつを任された選考顧問の池上彰氏は「今日、三谷幸喜さんはどこにいるんだろうと思った。菊池寛さんはいるんですけど」とジョークを飛ばした。「先日TBSの『ニュースキャスター』を見ていたら、菊池寛賞のお祝いをしていた。身内で褒め合っているという番組でしたけど、自分で自分を褒めていた。きっと『Nキャス』の中でまた紹介されるのかな。他の局ではこの部分は全部カットされるのかな」と話し、笑いを誘った。

池上氏は「鎌倉度の13人」について「史実をつなぎあわせて、あれだけの人間ドラマを描き出すというのは、本当に大したもんなんだなと思います」と称賛した。「三谷さんは高校時代に、菊池寛さんの似顔絵を描いて観覧していたそうです。そんなご自身が菊池寛の賞を冠した賞を受賞することになり、なりきって現れた。三谷さんの喜びがあふれているなって思います」と推測。「これだけ前説をすれば、それはもうおもしろい話をしてくれるなって思っています」とムチャぶりし、笑わせた。