【悼む】渡辺徹さんと榊原郁恵のおしどり夫婦、長期自宅療養で互いを再確認し過ごした濃密な時間

21年11月、「いい夫婦 パートナー・オブ・ザ・イヤー2021」を受賞した渡辺徹さん(左)と榊原郁恵

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俳優渡辺徹(わたなべ・とおる)さんが11月28日午後9時1分、敗血症のため亡くなった。61歳。所属する文学座が発表した。

同20日から入院し、治療を受けていた。妻はタレントで女優榊原郁恵(63)、長男は俳優渡辺裕太(33)。後日2人が会見を行う予定。家族の意向で葬儀は家族葬で執り行い、後日、お別れの会を行う。

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渡辺さんと榊原、長男裕太の3人を、昨年7月に取材した。親子3人初共演の朗読劇を2カ月後に控えていた。大動脈弁狭窄(きょうさく)症で手術を受けた渡辺さんにとっての復帰作だった。意気込みを語る渡辺さんの隣で、榊原は取材する部屋が冷房で寒すぎないかどうか、渡辺さんに直接冷気が当たらないかどうかを気に掛けていたことが印象的だった。

おしどり夫婦で知られる2人。渡辺さんが長く自宅療養したことで、互いの存在を再確認できたとした。渡辺さんが「女房のでかい声を聞いて帰ってきたなと思いましたし、病院にいた人間にとってエネルギーになった」と言うと、榊原も「夫婦として家族として濃密な時間を過ごせた」と笑みを見せた。

昨年11月に「いい夫婦パートナー・オブ・ザ・イヤー」を受賞した時の2人の表情から、さまざまな困難を乗り越えた晴れやかさを感じた。【小林千穂】

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