日本映画史に残る人気シリーズ「男はつらいよ」の源公役などで知られる、俳優の佐藤蛾次郎(さとう・がじろう)さん(本名・佐藤忠和=さとう・ただかず)が10日、虚血性心不全のため東京・世田谷区の自宅で亡くなったことが12日、分かった。78歳だった。同日に都内で家族葬が営まれた。喪主は長男で俳優の亮太さん(49)が務めた。
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ヒゲとモジャモジャ頭のルックスと軽妙なコメントで、個性派として人気を呼んだ、佐藤さんが静かに旅立った。所属事務所の関係者によると、佐藤さんは1人暮らしをしており、自宅の風呂場で風呂に漬かった状態で倒れていたところを、様子を見に来た親族が発見し、死亡が確認された。
佐藤さんは1944年(昭19)に大阪府高石市に生まれ、53年に朝日放送児童劇団に入団し、子役として活動。61年のフジテレビ系ドラマ「神州天馬侠」に出演し、泣き虫蛾次郎を演じたことをきっかけに、芸名を佐藤蛾次郎にした。
68年6月に公開された、山田洋次監督の映画「吹けば飛ぶよな男だが」にチンピラ役で出演し、見いだされると同年10月からフジテレビ系で放送された、同監督が脚本を担当した連続ドラマ「男はつらいよ」に出演。渥美清さんが演じた主人公車寅次郎の異母弟・川島雄二郎役を演じた。翌69年3月の放送終了を受け、松竹が製作し、同8月27日に公開された映画では、柴又帝釈天の寺男・源吉役を好演。19年の50作「-おかえり寅さん」まで出演し続けた。
俳優業と並行し、74年から都内でスナックを営業。同年から3年、新橋で「撫子」、77年から19年間、銀座で「POPO」を展開。さらに移転し、96年から銀座で「Pabu蛾次ママ」を営業。渥美さんも愛した薬膳カレーが名物だった。16年には43年間連れ添い、ともに店を経営した女優の妻和子さんが多発性骨髄腫のため68歳で亡くなったが、営業を続けた。ただ、新型コロナウイルスの感染が拡大した20年大みそかに、24年の歴史を終え、閉店していた。
▽俳優吉岡秀隆(「男はつらいよ」で共演) 「『男はつらいよ』の撮影の時に必ず差入れしてくださる蛾次郎さんのつくったカレーの味と、『満男、うまいか?』と少年のような笑顔で聞いてくださったことが昨日のことのように思い出されます。スタジオの片隅にいる僕をいつも気にかけてくださったこと、忘れません。ありがとうございました」