未唯mie恒例の正月公演への意気込み語る「躍れないようなピンク・レディーのアレンジを」

大阪公演へ向けてインタビューに応えた未唯mie

歌手の未唯mieが恒例の正月公演「仙波清彦 Produce 未唯mie Sings 新春 ”Pink Lady Night” 2023」を1月8日、ビルボードライブ大阪(午後3時、同6時開演)で開催する。

14年目となる同公演。和楽器中心のバンド編成からなる唯一無二のアレンジで、ピンク・レディーの名曲の数々が披露される。公演を間近に控えた未唯mieに、その魅力や意気込みを聞いた。

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未唯mie このライブ作品は、コロナ禍でもなんとか行うことが出来て、毎年お休みしたことがないんですよ。2010年に6カ月マンスリーライブの1つとしてできあがった。邦楽器が入って、お着物も着て、お正月公演にふさわしいということで。翌年からずっと恒例になって来年で14年目です。

 

-ピンク・レディー楽曲を新鮮に感じるアレンジ

 

未唯mie 本当に素晴らしい楽曲はどんなアレンジにしても、さらに素晴らしくなる。違う顔を見せてくれるということもある。改めて楽曲の良さを、違う角度で味わっていただくことが出来るんじゃ無いかと思っています。邦楽器も入っているんですけど、(曲調が)ハードロックになったり。奇想天外というか、世界各国に飛んでいくような感じもありますね。

 

-例年、桂由美さんデザインの衣装を着られる

 

未唯mie お着物は桂由美先生のパリコレクションからお借りして、アレンジした着付けをさせていただいています。ロングブーツを履いて、スリットがあいたドレスのような着方をしたり。大阪公演では、七篠慶紀というヘアメークの世界チャンピオンがお着物とヘアメークを担当してくれているんですね。ビジュアル的にも見物だと思います。

 

-公演に向けての準備などは

 

未唯mie 毎年のことなので、年末になると時候稽古というか。この公演を何年か続けていくうちに、お着物を着せていただくから所作もちゃんと出来た方がいいと思って、日舞を習い始めたんです。コロナ禍で時間を有効に使いたいと思って、去年、花柳流で名取を頑張って取りました。日舞もコツコツとお稽古してきました。

 

-日舞を続けられてきた効果などは

 

未唯mie 部分的に振り付けをしていただいている所もありますが、決まった振り付けがない所も多いものですから。お着物でもハードロックで脚をバンと上げたりするんですけど。ちょっとしたところで、お着物の所作的な部分がきれいに出来たらいいなと。少しずつ磨きがかかっているのではないのかなと思います。

 

-洋舞、ダンスにも良い影響が出てくる

 

未唯mie 指の使い方とか身体の使い方が、洋舞とは違いますので。洋舞はリズムを取り込んでノっていくという感じ。日舞は、全然拍子が違って、音は鳴っていても息で感じて取るという感じだったり。

 

-和と洋が融合して新しい物になっている

 

未唯mie 違いをうまく融合して、表現させていただいていると思います。音とともに動きも融合されているので、見て感じていただきたい。奥行きが全然違うと思います。すごく好んでいただいて常連になっていただいているお客様も、何回見ても、見落としてしまうようなところがたくさんある、と。それでDVD、CD出してほしいというお声もたくさんいただいて。聞くところも見るところもたくさんある。来年で14年続けていますけども、演奏している方も、見てくださる方も飽きないんですよね。

 

-14年の公演で変えてきた部分などは

未唯mie それをしないのがこのライブ作品なんです。1個の作品としてでき上がっているので。何かを変えるということではなくブラッシュアップしていく。なじんでいったり、理解が深まってパワフルになったり。聞いてくださっているお客様も感じてくださっている。今年のはまた良かったね、と。

 

-毎年続けていて気づきがある

 

未唯mie そうですね。メンバーも今の音を聞いてほしいし、感じてほしいと言うくらい。同じ事をしているのに成長しているのもあるんですよね。邦楽器があることで、息で進んでいくこと。ミュージシャンたちもお互いに、緊張感と喜びの中で奏でていく。その回、その回で、生き物のように変わっていくんです。

 

-今公演のアレンジで再発見したような楽曲は

 

未唯mie どれも面白いんですけども。(バンドを率いる)仙波清彦さんが最初に「これを練習しておいて」と言われたのが5拍子。この5拍子になったのが「ペッパー警部」なんですね。元々は4拍子なんですけど、5拍子で気持ち良く取れるようになるまで、たくさん練習しました。でも今や、常連のお客様は5拍子で踊っちゃったりするんですよ。なじんで楽しんでくださってますね。仙波さんにお願いしたのは、躍れないようなピンク・レディーのアレンジをしてほしいと。それくらい違う世界観で聞いていただきたかったんです。ソロの表現ならではのことをしてみたくて。

 

-おなじみの楽曲を新鮮に感じられるアレンジ

 

未唯mie だから(原曲と)同じ歌い方ではノリが合わないんです。もうそれぞれに合わせた歌い方をしておりますね。特に「サウスポー」は雅楽から音頭になるので、こぶしを回して歌っています。

 

-コロナ禍での変化などは

 

未唯mie コロナだからということではないかもしれないですが。どういったものが自分らしい表現かなと思った時に、ライブでいろんなことをチャレンジしておりますし、これからもしていくと思うんですけど。「今、何が出来るのか」ということにフォーカスしていきたいと思っています。40年以上特殊な経験をさせていただいた。その経験も体に染みているだろうし、年齢とともに変わっていっていることもあると思います。今、こんなふうに私の体を楽器として使って声を奏でたい、というようなトレーニングをしたり。変化してると思うんです、表現が。その変化の中で今、どんな表現ができるのかということにフォーカスしていく。若い時と違って「将来どうしようかな」じゃなくってね。今、できること。

 

-昨年2021年でソロ40周年。続けていく中で気をつけていることは

 

未唯mie 40代真ん中くらいで、ピンク・レディーのコンサートツアーをやることになって体力的に不安だ、と思って。運動嫌い、運動音痴の私としては、それまで何にもしてこなかった。踊るのは好きなんですけど。もうスポーツは全く何もできないんですね。走ることも投げることも。このままでは、と思いまして。ヨガを2年くらい続けて、さらに自分に合うものをと思って、ジャイロトニックをその後10年続けました。今はボーンメソッドというもので体を整えています。骨や筋肉を体の生理に合わせて使うというもの。故障しづらい、疲れにくい身体にどんどんなっていっていると思いますね。中に秘めている、掘り起こされてない力とか。そちらにフォーカスして。また新たな私に出会うことを楽しみに、日々行っております。

 

-新年がこの公演から始まる。どんな公演、どんな1年にしたいか

 

未唯mie 今の時代、コロナもあるし、殺伐とした世の中になってますのでね。鐘や太鼓の音は邪気払いとも言いますから。私自身も、聞いてくださった皆さんにも、年の始めにリセットして、上に向かっていくようにと。いいエネルギーの媒体になれたら。それを皆さんと共有して、すてきな時間、すてきな年にしましょう、と思っています。