【インタビュー】中山佳子、選考の場でシコふんじゃった!役に飢える24歳がいぶし銀の活躍

インタビューに応じた中山佳子(撮影・松尾幸之介)

夢に向かって進む。女優中山佳子(24)が、いぶし銀の活躍を続けている。昨年は日本テレビ系ドラマ「真犯人フラグ」やTBS系日曜ドラマ「DCU」出演をはじめ、ディズニープラスで同10月から配信中のオリジナルドラマ「シコふんじゃった!」では、過去の相撲経験も生かして伊原六花(23)演じる主人公の最大のライバル、本橋茉優役を熱演。役者に憧れ、地元高知県から飛び出してきた注目株に話を聞いた。

「シコふんじゃった!」は92年に日本アカデミー賞5部門を受賞するなどした同名映画の30年後を描いた続編。中山は主人公に立ち塞がるライバルとして、鬼気迫る表情が印象的な力強い演技をみせて話題となった。実は小学生時代には男子に混ざって地元の相撲チームで戦っていた“経験者”。当時は個人戦優勝や団体戦の大将も務めるほどだった。オーディションの話を聞いた時から「『この役は私がとらないと』と思っていました」と振り返り「小学生の頃の写真とかもつけて応募して。(選考で)その場でシコふみました」と笑った。

世界的にも有名な“Sumo”だけに、反響は海外からも届いた。「外国人の方がコメントをくれたり、配信なので、海外にいる日本人の方も見てくださったり。『続編も悪くない』という意見もあったので、ホッとしています」。撮影前の昨春から約3カ月に及んだ稽古のほか、主演の伊原と同じく7キロの増量にも取り組んだ。体重の増減は得意な方で「真犯人フラグ」では実年齢より7歳若い16歳の高校生役だったため「説得力を持たせるために自己判断で」約5キロ減量。体重を増やした「シコふんじゃった」撮影直後も別の撮影へ向けてわずか4日で再減量したといい「ランニングしたり、ヨガやエステ、水抜きも。家の中でシコもふみましたね。結構、体にいいんですよ」。

学生時代からテレビドラマを見ることが大好きだった。高校卒業後、19歳の時に受けたオーディションをきっかけに地元高知県から上京。「ドラマを見てきた数はあんまり人に負けないと思います」と口にする。負けず嫌いで、職人肌。「何かを突き詰めてステップアップしたりすることに快感を覚えるタイプで。今も常に危機感を感じています。次はこれをやりたいという気持ちがエンドレスで続くというか、飢えているという感じです」と語った。

同学年は広瀬すずや橋本環奈、福原遥らタレントぞろいの年代。自身の立ち位置も冷静に分析している。自身につけたキャッチコピーは“飛び道具”。「かわいくて実力のある子が多いので、逆にこの見た目やキャラクターだからこそできる役をどんどんやっていきたいです。例えば、誰にでもできそうな役を私がやるから良い色付けになるような、いろんなところで対応力をみせられる人になりたいです」と笑顔で語った。

最近は若くして飛び立った地元での活躍も増えた。昨年12月30日からは自身が主演を務めた地方競馬の高知けいばをPRするショートムービーが解禁に。同けいばのYouTubeチャンネルなどで公開されている。土佐弁を駆使しながら、競馬などを取材する新聞社の若手記者役を熱演。「携われて光栄でした。高知を元気にできるような活動はこれからもやっていきたいです」と力を込めた。

憧れの地元のスターに挙げたのは広末涼子(42)。「小学校低学年の時に、地元のお祭りにゲストで来ていた広末さんにうちわをもらったことがあります。まだ家にありますね。あまりのかわいさに感動してしまって。憧れの役者さんです」。

昔から得意な相撲の決まり手は「寄り切り」だった。役者生活でも少しずつ堅実に進み、自分だけの発着点を見いだしていく。【松尾幸之介】

◆中山佳子(なかやま・かこ)1998年(平10)7月22日、高知県生まれ。幼少期から相撲のほか、水泳やダンス、バレーボール、スポーツチャンバラ、テニスなど多くのスポーツに励み、高校時代はフットサル部でゴレイロ(GK)を務める。高校卒業後に上京し、役者デビュー。19年のNHK大河ドラマ「いだてん」、映画では21年公開の「花束みたいな恋をした」などに出演。最近ではTBS系ドラマ「差出人は、誰ですか?」、配信ドラマアプリ「BUMP」の「脳内がハルトくんになった私は妄想が止まりません。」などにも出演した。学生時代から引っ越し屋のアルバイトを約7年間経験しており、力と根性に自信がある。身長164センチ。