岸井ゆきの「ケイコ 目を澄ませて」毎コン5冠「負けたくないのは私が映画思う気持ちと同じ」

毎日映画コンクールで女優主演賞を受賞した岸井ゆきの(撮影・村上幸将)

<第77回毎日映画コンクール表彰式>◇14日◇東京・めぐろパーシモンホール

「ケイコ 目を澄ませて」で女優主演賞を受賞の岸井ゆきの(31)が、三宅唱監督(39)の監督賞をはじめ川井崇満氏の録音賞、撮影賞、日本映画大賞を含む最多5冠を獲得したことに「歴史ある賞をいただけて、とてもうれしい」と目に涙を浮かべた。

岸井は劇中で、生まれつき聴覚障がいながら、プロボクサーとしてリングに立ち続けるケイコを演じた。「とても光栄。情熱を注いだ者に、勝ち負けではなくて継続すること、静かに愛することを重要とした映画」と映画を紹介。そして「でも、圧倒的に負けたくないという気持ちも、ケイコには、きっとあって。それは私が映画を思う気持ちと、とても似ていて。ただ、ただ、良い映画作りに関わりたいと、ずっと思っていた。この映画で、きっと出来たと思う。勝ち負けじゃないと言いながら、いただけた賞を、認められた証として大事にしたい」と語った。

この日は、ケイコのモデルとなった小笠原恵子さんも駆けつけ、登壇した。手話通訳を通じ「私は、恵子と周りの人から呼ばれていた。その声は聞こえませんが、映画を見て、その感触を思い出すことが出来た。1つ1つが大事なものとして静かに迫ってくる、その感じが素晴らしいなと感じた」と映画の感想を語った。自身をモデルとした、岸井の演技については「久々に、ボクシングをやっている中で、楽しかったこと、また苦しかったことをたくさん思い出しました」とたたえた。現在はボクシングを指導しているという小笠原さんだが、鋭いシャドーボクシングを披露し、会場を沸かせた。