舌がん乗り越えた堀ちえみ、40周年ライブで涙「私にとっての誇り」声援の練習する親衛隊に感謝

40周年記念ライブ前に取材に応じた堀ちえみ

19年にステージ4の舌がんで闘病した歌手堀ちえみ(56)が15日、都内で、デビュー40周年の記念ライブを開催した。

コロナ禍で1年遅れとなりタイトルは「Chiemi Hori 40thプラス1 Anniversary Live ~ちえみちゃん祭り2023~」。堀がファンの前に立つのは、17年に行ったデビュー35周年記念ライブ以来6年ぶり。本格的な歌唱も20年の日本テレビ系「24時間テレビ」以来となる。

代表曲「リ・ボ・ン」や「さよならの物語」「クレイジーラブ」など、歌謡曲全盛時代だった昭和歌謡を中心に全21曲を披露した。チケット1300枚は完売。親衛隊も含む満員のステージに立った堀は、時おり涙を見せながらも全盛期をほうふつとさせるパフォーマンスを見せた。

堀は公演前、報道陣の取材にも応じた。この日が誕生日ということで花束も贈られた。40周年については「もう56歳です。15歳でデビューしてあっという間でしたね。デビューした時の母の年齢も超えました。いろいろなこともありましたけど、振り返るとすごく色濃い人生だったなと思いますし、いろんな経験ができ、充実した一生になると思います」と振り返った。

堀は19年、頸部(けいぶ)リンパ節と舌の6割を切除、太ももの組織を移植する11時間にも及ぶ手術を受けた。本人の果てしない努力でこの日のステージを迎えたが、堀の口から出るのは周囲への感謝だった。

「周囲の方々に支えていただいて、ここまでやっと来られた感じです。1人で来られたわけではありません。家族やファンの皆さんの支え、医療従事者らの皆さん、ボイトレの先生、体のメンテナンスの先生、メンタル面を支えてくれた方々。本当にみなさんに感謝しております」と感謝の気持ちを語ると、大粒の涙が止まらなかった。

この日は午前中から親衛隊が会場付近に集まり、声援の練習をしていたという。それを聞いた堀は「いや、本当にありがたい。どんな時でも、そばにいてくれて心強かったです。今の言葉でいえば“推し”ですかね。私にとっての誇りですし、尊いです」と涙が止まらなかった。

誕生日はライブ当日のため、前日14日に家族がお祝いをしてくれたという。この日も娘から「お母さん頑張って」と見送られたというが、19年に、手術のために病院に向かう時とシーンが重なった。「そのことを思い出し、複雑な気持ちで家を出てきたんですけど、今回は、あのいいことだったので」と笑顔を見せた。

40周年ライブは4月7日に大阪でも開催する。体調は万全だと言い「家族とかとスタッフの皆さんには、前より健康になったって言われます。すごいパワフルな感じがします」。40周年ライブは東京と大阪での開催だったため、今後は全国のファンの元を回りたいとの希望も語る。さらには女優業への意欲を見せる。

「入院していたときに、松本千秋(スチュワーデス物語の主人公)の続編をやっておけばよかったなって思ったんです」。報道陣が「いいですねぇ」とあおると「このしゃべりでは無理かもしれませんが、やりたいですね。(教官役の)風間(杜夫)さんはどうなんでしょう。今だとどんな設定になるんですかね」と楽しそうだった。

今後については「ファンの皆さんがいての私です。いろいろとご心配をおかけしましたけど、なんとかステージを開催できるまでに回復できました。今後とも末永くよろしくお願いいたします」と語った。

【竹村章】