鈴鹿央士は「silent」の湊斗そのまま「湊斗って言われるようになって幸せ」主成分は優しさ

7日、「AMDアワード授賞式」に登壇する鈴鹿央士

<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>

そこには湊斗がいた-。今月7日、都内で行われた、過去1年間に発表されたデジタルコンテンツの中から表彰される「第28回AMDアワード授賞式」を取材する機会に恵まれた。昨年のフジテレビ系10月期連続ドラマ「silent」(木曜午後10時)がAMD理事長賞を受賞。俳優鈴鹿央士(23)は、劇中の最初で付き合っていた主演の女優川口春奈(28)とともに登壇し、表彰された。

その後、鈴鹿が対応した囲み取材が印象に残った。記者の質問を相手の目を見てじっくりと1つ1つ丁寧に、ユーモアを交えて優しく答えていった。その姿はまさに、鈴鹿が「silent」で演じた戸川湊斗そのものだった。ドラマ内での湊斗は「主成分は優しさ」と言われるほどの性格で、純粋な心の持ち主。劇中では、途中失調者の佐倉想を演じたSnow Man目黒蓮(26)との友情が、見どころの1つだった。

そんな鈴鹿が、登壇した授賞式でチャーミングな一面を見せた。受賞に際し「全員がこの作品を愛していて、その愛が見てくださった方に伝わった。今しみじみ思っています」とあいさつするも、次が続かず「どうやって締めればいいんですかね」と壇上で困り果て、会場を温かな笑いで包み込んだ。

囲み取材で自身のスピーチの出来を問われた鈴鹿は、いきなり“鈴鹿節”を発射。「映画賞の新人賞で(スピーチの機会が)あったんですけど、考えていくよりはその場で思い浮かんだことを言おうっていう派閥というか。そういう派でやらせていただいてて」。さらに「もとから締め方が分からなくて。今も分からないんですけど。どうやって話って締まるんだろうなって。多分人生の鬼門というか」とマイペースに語った。

一緒に登壇した川口とのエピソードも明かした。川口からは「何か言われた?」と問われると「あ! ありました! ふた笑いぐらいとったねって言われました」と、締まりきらなかったスピーチを称賛されたことを打ち明けた。

その後も終始、笑顔で取材に対応した。川口とは今年初めて会ったことを明かし「ドラマ終わった以来で。裏でも『お久しぶりです』とお話ししました。あけめましておめでとうございます、ですね」。

「silent」で話題になった手話は、今でも継続してやっているという。授賞式後の集合写真の撮影時には、ドラマでも実際にやっていた「ずっと」という手話を使って、川口とやりとりしていた。「いろんな現場でたまに手話をするときがあって。遠く離れたスタッフさんに“ありがとう”ってやったり」と静かに語った。

“親友”の目黒の活躍にも刺激を受けていた。最近、テレビ局で会ったと明かし「連絡はしてないですけど。最近どうですか? という話をしたり。お互いの活動を見ながら。最近、(目黒主演の)映画とかあるんで。頑張ってらっしゃるなと思って。自分も頑張ろうって思います」と意気込んだ。

「silent」との出会いも、赤裸々に語った。「人生は大きく変わりました。1人の人間としても、鈴鹿央士という俳優としてもそうですし。大切な作品に出会えた」。さらに「『silent』という作品で、鈴鹿央士っていう名前を知ってもらうのも大事なんですけど、町で“湊斗”って声をかけられることも多くて。役名で呼んでもらえることは俳優としてはうれしい。“湊斗”って言われるようになって、幸せです」と喜びをかみしめながら話した。

わずか10分に満たない取材時間で、“鈴鹿ワールド”を作り上げた。それは、“湊斗ワールド”でもある。俳優鈴鹿央士の飾らない素顔に、魅了されてしまった。【高橋洋平】