松本白鸚(80)が初演から54年間にわたって主演してきたミュージカル「ラ・マンチャの男」のファイナル公演が14日、神奈川・よこすか芸術劇場で開幕した。
劇作家セルバンテスが宗教裁判を待つ間の獄中で、アロンソ・キハーナという老人が遍歴の騎士ドン・キホーテとして旅に出る物語を劇中劇で演じる。白鸚は、セルバンテス、キハーナ、キホーテの3つの役柄を演じ分ける。
2幕2時間15分の物語が終わると、大きな拍手が起こり、観客はスタンディングオベーションで賛辞を送った。白鸚は劇場全体を見回し、何度もうなずき「どうも、どうも、ありがとうございました。ありがとうございました」と感謝。「松本白鸚in『ラ・マンチャの男』 ご声援ありがとうございました」と書かれた大きなボードも舞台上から登場し、ファイナル公演を彩った。
昨年2月がファイナル公演になるはずだったが、新型コロナウイルスの影響で全25回の上演日程は、千秋楽を含め18回が中止になった。
今回復活したファイナル公演は、キャストのスケジュール、劇場の確保などさまざまな困難が伴ったが、松たか子、上條恒彦、駒田一ら昨年2月に出演したキャストがそろった。24日までの全10回公演で、千秋楽には上演回数が通算1324回になる。
◆ラ・マンチャの男 16世紀末のスペインが舞台。宗教裁判を待つ劇作家セルバンテスが、獄中で即興劇による申し開きを求める。囚人全員を配した劇中劇は、アロンソ・キハーナという老人が、遍歴の騎士ドン・キホーテとして悪を滅ぼす旅に出る物語。キホーテは、宿屋で会ったアルドンザをあこがれの麗しの姫だと思い込み、身をささげる決意をする。69年、当時染五郎の白鸚が主演し日本初演。翌70年、ブロードウェーの招待を受けた。