崖っぷち芸人No.1のG1グランプリ優勝モダンタイムス「地下芸人と言われるのは不快だった」

G1グランプリに優勝したモダンタイムスのとしみつ(左)と川崎誠

<崖っぷち芸人No・1決定戦 G-1グランプリ2023>◇決勝◇16日◇東京・イイノホール

芸歴15年以上でブレークしていない“崖っぷち芸人”のNo・1を決めるG-1グランプリ決勝が、300人を集めて行われた。

決勝は7組で争われ、結成22年の漫才コンビ、モダンタイムスが優勝し、賞金300万円を獲得した。

決勝では川崎誠(44)が、ひたすら「<歌詞>他人の握ったおにぎり食べたくない~」と歌いながらボケ続け、としみつ(44)がひたすらツッコミまくった。

モダンタイムスは01年に結成。芸人としてコンビ歴22年を誇るが、出会いは青森県弘前市の小学校3年の時という“コンビ歴”35年の超ベテランコンビも、自らエントリー費を払ってライブに出演する“地下芸人”として活動を続けてきた。

20年にM-1、21年にR-1と、お笑い2冠に輝くマヂカルラブリー野田クリスタル(36)が「天才、俺の師匠」と胸を張る存在だった。マヂカルラブリーがM-1優勝した際には師匠として脚光を浴びたが、ブレークには至らなかった。

21年7月には16年間所属していた、ソニー・ミュージックアーティスツを退所し、フリーとして活動。5月に決勝が行われる、今年新設された結成15年以上のコンビによる漫才大会「THE SECOND」もすでに敗退していた。

としみつは「優勝は狙っていました。今日のネタは今年に入ってから作りました。やっと晴れ舞台に立てた。こんなうれしいことはない。賞金は150万円ずつ分けます。僕は通っているガールズバーに落とします」と笑顔を見せた。

川崎は今年1月に結婚したが、持病の糖尿病が悪化してインスリン注射を余儀なくされている。「インスリンは、1回に1~2万円もする。結婚したのに糖尿でセックスできなくて『結婚詐欺』と言われましたから。本当に助かります」と、まさしく崖っぷちからの生還だ。

“地下芸人”と言われることに、としみつは「意外と不快でした。ありがたいけど、22年間、ずっと地下にいたから」。川崎も「不快でしたね。言われると、売れないですから」と振り返った。

この日の審査員は、フジテレビ「SMAP×SMAP」や映画「ハンサム★スーツ」の放送作家鈴木おさむ氏(50)、フジテレビ「とんねるずのみなさんのおかげでした」、映画「上島ジェーン」、YouTube「貴ちゃんねるず」の演出家マッコイ斎藤氏(53)、YouTube「街録ch~あなたの人生、教えて下さい」のディレクター三谷三四郎氏(36)、フジテレビ「めちゃ×2イケてるッ!」のプロデュサーで現在は「KAZA2NA」CEOの明松功氏(52)が務めた。

鈴木氏は「テレビや他のライブでは見ることのできない、凝縮した笑いを見られた。面白くても売れない芸人さんもいるけど、彼らは表面張力パンパン。あとはきっかけで売れてほしいと思うし、売れると思う。応援したい」と話し、自身のラジオ番組にゲストとして呼ぶ計画も明かした。

マッコイ氏は「生で見たのは初めてだけど、俺、大好き。歌もクセになるし、ツッコミの彼(としみつ)が、こっちまで巻き込んでくるのがいい。面白くて、安定しているし、ハートが強くて、カッコイイ。今日はモダンタイムスが出てくるまでは『エッ…』という感じだったけど『オッ! やっと本物が来た』と思った。としみつ君はツービートを見てるような感じがある」。

昨夏に2人をインタビューした三谷氏は「彼らのことは周りも応援してくれていた。この後、どうなるかも追っていきたい」。

大会総合プロデューサーも務めた明松氏は「予選、準決勝といろいろな芸人に出てもらって、実力以上のものを出してくれた人もいた。ずっとコンスタントだったのがモダンタイムス。ネタ以外でも懐が深い。何を言っても返してくれる。“地肩”という意味では、今売れている人よりもあると思う」と話した。

決勝進出は他にイヌコネクション、下町ミュンスター、ななめ45°、藤波かよ子、ふとっちょ☆カウボーイ、ムートン伊藤。敗者復活はニコニコモンサター、ルンルンキンジョウ、ロボマンが争ったが、いずれも復活ならず。ロボマンのオラキオ(45)に「こんなにベテランでも成長せずにすべり倒す」という理由で「マッコイ斎藤賞」が贈られた。

◆モダンタイムス 2001年(平13)結成。▼としみつ=1978年(昭53)10月29日、青森県弘前市生まれ。趣味はJポップ。173センチ、60キロ。血液型A。▼川崎誠(かわさき・まこと)=1978年(昭53)5月22日、青森県弘前市生まれ。趣味はスポーツ全般。172センチ、70キロ。血液型A。