“ジェンダーレス男子”ゆうたろう、俳優としてライバル不在の“ブルーオーシャン”突き進む

取材に応じた、ゆうたろう(撮影・松尾幸之介)

<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>

気になる俳優が、また1人増えた。ゆうたろう(24)。古着屋店員だった2016年に「かわいすぎる美少年」として突如デビューし、今年もドラマや舞台にと活躍の場を広げている。その見た目やしぐさから“ジェンダーレス男子”と呼ばれることもある。先日行ったインタビューでは、そんな彼ならではの悩みも明かしてくれた。

ファッションのたしなみとしてスカートをはくこともあれば、化粧をする時もある。3月末まで放送していたテレビ東京系ドラマ「来世ではちゃんとします3」では女装男子、4月15日に初日を迎えた舞台「幾つの大罪~How many sins are there?~」(東京・EXシアター六本木ほか)ではトランスジェンダーの囚人役と、中性的なキャラクターを生かした配役オファーも多い。

本人にストレートに聞いたところ、「僕は女の子になりたいわけでは1ミリもないんです。中身はおっさんみたいですよ」と明かした。デビュー当時に出演したテレビ番組ではキュートな見た目で「ウフフ」と口にし、「恋をしたことがない」と語っていた。これに関しては「確かにファーストキスは仕事(の演技)でした」と明かす。キャラクターが定着していることで「女の子からも男の子からも何も言われない。どっちかわからないからどうモーションかけていいのかわからないって言われますね。そこは言われても仕方ないなとは思っています」と話した。

今年で25歳。まだ10代の少年だったあの頃とは違い、精神的にも大人になった。これまでは「かわいい」と言われることが多かったが、「これからはかっこいいと言われるようになりたいですね。男だぞ、というギャップをみせていきたい」と意気込む。オファーされた役柄を全力でこなすことを誓いつつも「顔つきが大人になってきたなと感じています。いつか限界がくる」と理解もしている。「自分のままでいられるのが一番。常にいろんな可能性を広めたい」と話した。

クオリティーの高い女装姿には海を越えた反響もあった。「韓国のまとめサイトにも載っていたりしていて、明らかに女装が趣味な人からSNSにメッセージが届いて」と明かし「『メーク道具やカラコンは何を使っていますか?』と聞かれたり。僕を見て勉強しているみたいですね」と笑った。

異色のキャラクターと思われがちだが、所属する芸能事務所、アソビシステムでは俳優部のパイオニア的存在だ。映画初出演は18年の中条あやみ主演映画「3D彼女 リアルガール」。これは所属タレントとしても初の映画出演で、まだ俳優部を創設したばかりの社内はプチお祭り騒ぎになったという。「猫耳の似合う男の子役を探していたら僕がヒットしたみたいで(笑い)」と振り返り「役者業も初めは続くと思っていませんでした。いつの間にか楽しいし、続けられているという感じです」。

話を聞いていると、どのカテゴリーにも属さない“ブルーオーシャン俳優”な気もしてきた。インタビューでも本人と共に「ライバル」は誰かと思案したが、答えは見つからなかった。「意外とドンピシャなライバルっていないのかもしれないですね」。天敵不在。20代後半、そして30代と、この先どんな俳優になっていくのかも興味深い。ゆうたろうにしか出せない魅力を武器に、これからも突き進んでいく。【松尾幸之介】

◆ゆうたろう 本名非公表。1998年(平10)6月3日、広島県生まれ。中学時に不登校となり、卒業後は高校進学せず大阪で古着屋のショップ店員へ。原宿店開店時の上京時に現事務所社長の目にとまり、17歳で芸能界へ。かわいすぎる美少年としてテレビ番組などに取り上げられ、17年に役者デビュー。主な出演作は、映画「かぐや様は告らせたい」「殺さない彼と死なない彼女」「チェリまほ THE MOVIE~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~」、フジテレビ系ドラマ「シャーロック」、Netflix「FOLLOWERS」など。4月20日初日の朗読劇「したいとか、したくないとかの話じゃない」(東京・俳優座劇場)の劇中オリジナルドラマにも出演。旅行好き。身長165センチ。