千原ジュニア4コマ漫画挑戦の理由は「異国の地、お正月気分と、異国のお肉と、異国の赤ワイン」

4コマ漫画集「嗚呼 蝶でありたい」を描き下ろした千原ジュニア(撮影・野上伸悟)

“話芸の鬼”と呼ばれるお笑いコンビ、千原兄弟の千原ジュニア(49)が、15日に直筆4コマ漫画集「嗚呼 蝶でありたい」(扶桑社)を出版する。コントでもトークでも文でもない新境地で、豊かな才能を発揮している。何度も死に直面したジュニアが、漫画への思いや4コマ漫画の苦労を語った。【取材・編成=佐藤成】

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新著は、20年から「週刊SPA!」で連載している4コマ漫画「囚囚囚囚(トラトラトラトラ)」に書き下ろしを加えた1冊となる。「せっかく描いたのでたくさんの人に読んでいただけたらな、というのが半分と、やっぱり4コマ漫画って非常に難しいところで、あんまり正直手を出したくないジャンルだったんで、なかなか怖いなという思いが半々ですかね」と発売前の思いを明かした。

大の漫画好き。漫画家へのリスペクトの大きさが故に、4コマ漫画のオファーは断り続けていた。ただ、20年1月。担当編集者とオセアニアの島国・バヌアツを旅している際になぜか快諾してしまった。その理由を「異国の地、お正月気分と、異国のお肉と、異国の赤ワインですね」と笑いながら明かした。

初めて触れた漫画はちばてつや氏の「あしたのジョー」。今でもバイブル的な存在だ。幼少期に、いわゆる全盛期だった「週刊少年ジャンプ」などを通ることはなかったが、お笑い養成所の同期、バッファロー吾郎からさまざまな漫画を教えてもらい、10代後半から20代中盤まで多くの漫画を読みあさった。ちば氏のほかにも古谷実氏、松本大洋氏らを尊敬してやまないという。

そんななか人生で初めて4コマ漫画を描いた。ルールも何もわからない。しかし、そこにはジュニアらしさが詰まった世界が広がっている。

「『ウケた』はあんまわかんないすけど、『スベった』は感じられるでしょうから。名前が出てると書いてるやつの顔が浮かぶっていうそこのリスクはだいぶ高いですよね。(ほかの漫画家は顔が見えないことが多いが)こっちは完全に矢面に立っている。顔出して4コマ描くほどリスキーなことないですね」

最後にオチを付けるネタと、起承転結を展開する4コマ漫画は似たような部分もあるのかと思いきや、その作り方は全く異なるという。「全然違いますよね。最初の頃なんかはやっぱり軸となるネタの部分はあっても、そのカット割りがどうしたら一番伝わるのかなとか。あとセリフを言い過ぎてもって思いますし、説明しすぎっていうのも無粋やし。もうちょっとお客さんを信用してみたいな部分もありつつ、さすがにこれちょっと、委ねすぎなんじゃないかなとか、何かそのあたりは何か難しいですね」と苦労を語った。(つづく)