5月18日に東京・目黒の自宅で死亡した母親の自殺を手助けしたとして、警視庁は27日、自殺ほう助容疑で歌舞伎俳優市川猿之助(本名喜熨斗孝彦=きのし・たかひこ)容疑者(47)を逮捕した。逮捕を受けて、関係各所は対応に追われた。
歌舞伎の興行を行う松竹は、本紙の取材に「今はご回答できることがございません」としたが、その後、公式サイトで「これまで数多くの歌舞伎公演に出演いただいた弊社としましては、このような事態に至りましたことを重く受け止めております。弊社といたしましては、本件が猿之助の家族内の事件であることにも鑑み、司法による最終的な判断がなされるまでは、会社としての見解について申し上げることは差し控えさせていただき、今後の捜査等を見守りたいと存じます」とコメントした。
猿之助容疑者については、10月までの歌舞伎公演休演が発表されているが、来年2~3月のスーパー歌舞伎セカンド「鬼滅の刃」(東京・新橋演舞場)も発表されており、逮捕を受けてより一層先行き不透明な状況になった。
また、所属事務所「ケイファクトリー」は公式サイトで「応援してくださる皆さま、関係者の皆さまに多大なるご迷惑、ご心配をおかけしておりますこと改めて深くおわび申し上げます」と謝罪。「現在、本人は警察の取り調べを受けていると認識しております。このような事態に至りましたことを重く受け止め、今後も当局の捜査に協力して参ります。また、司法による最終的な判断がなされるまで、所属契約に関する見解について申し上げることは差し控えさせていただきます」とした。
猿之助容疑者が出演し、一連の騒動を受けて16日に予定された公開を延期した映画「劇場版 緊急取調室 THE FINAL」(常廣丈太監督)について、製作のテレビ朝日の関係者は「現時点では捜査中であり、事実関係を把握することが難しく、公開延期という判断に変更はありません」と回答した。
猿之助容疑者が13年5月から芸術監督を務めている「京都芸術劇場 春秋座」について、京都芸術大広報課はこの日午前、「現在、事実関係を確認中です。確認がとれ次第、(職務について)対処したい」とコメントした。
今後警視庁は、父市川段四郎さんの死亡に関与した疑いでも調べを進める方針で、今回の逮捕によって、波紋はさらに広がりそうだ。
◆おわびと訂正 27日に掲載した「市川猿之助容疑者逮捕に関係各所対応に追われる」の記事の見出しで「芸術監督務める京都芸大も」とありましたが、正しくは「京都芸術大学」でした。おわびして訂正いたします。