映画「先生!口裂け女です!」で口裂け女役の屋敷紘子「親に土下座して英国に演劇留学」

口裂け女役の屋敷紘子。映画の怖いイメージとは正反対の優しく人懐っこい表情を見せる(撮影・横山健太)

女優屋敷紘子(45)が、7日公開の映画「先生!口裂け女です!」(ナカモトユウ監督)で口裂け女を演じている。1970年代後半に都市伝説で「私、きれい?」と言いながらマスクを取ると大きく裂けた口の出現が、深夜ラジオなどで話題を呼んだ。アクション女優としても活躍する屋敷に聞いてみた。【小谷野俊哉】

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物語のラストでは、屋敷が演じる口裂け女が、20人もの悪党を相手にド派手な立ち回りを演じる。血しぶきが飛び、ちゅうちょなくトドメを刺す、過激なアクションシーンだ。

「あのシーンは、私にとってはめちゃくちゃ楽しかったですね。でも、強いて言えば、もっと時間があって、もっとやりたかったなっていうところはありましたね。本当だったら、もっと大がかりにみんなで戦うシーンが撮れたら良かったなと思います。だけど、時間的制約と場所の制約もあったので。ちょっとできないところもあったので、それだけが心残りですね」

女優を志したのは大阪の高校を卒業する時だった。

「こういうホラー作品とかアクションものでは全然なくて、どっちかって言ったらもう純粋な演劇とかそっちの方だったので。いわゆるシェークスピアとかが大好きな、もともと舞台演劇からです。学生時代は全然やっていなくて、高校を卒業してからロンドンの演劇学校に行きました。親を説得するには、それくらいの本気を見せないといけないということでね。女優になりたいとか。そういう女優になりたいというより、芝居を勉強したいっていう方が先でした。小さい時に映画を父とよく見ていたので、結構クラシックな映画、チャップリンとか、それこそ『ニュー・シネマ・パラダイス』とかそういったものを見てて芝居やりたいなと思いました。小津(安二郎)作品、黒澤(明)作品とかもね」

女優になることよりも、演劇を勉強することに飢えていた。

「芝居を勉強したいけど、別にちやほやされる女優になりたいんじゃなかった。芝居を勉強しなきゃと思って大阪芸大に行きたいって言ったら『そんなお金はない。高い金出して遊ぶ気か、お前は』って言われて、大反対されたんです。じゃあ本気を見せなきゃいけないなと思って、多少でも大学に行くためのお金をためてくれたんだったら、そのお金がもつ間だけでいいから、本場のロンドン行かせてくれって、親に土下座をしてお願いしました。大阪芸大はダメだけど、ロンドンに行くのはいいと許してもらいました。結果としては、同じくらいお金がかかっちゃうんですけどね」

親を必死に説得して、高校を卒業してすぐにロンドンに渡った。

「でも、何年間も行けるわけじゃなく、1年とか2年の集中した感じで日本を出ました。それで、ロンドンに3年半いました。当時は短期でも、ガッと演劇を勉強したい人が日本から来ていたんですよ。それこそ野田秀樹さんとか著名な方も短期でガンガン留学してた時代でした。私は96年から2000年ぐらいでした」

(続く)

◆屋敷紘子(やしき・ひろこ)1978年(昭53)1月17日、大阪生まれ。高校卒業後、96年から英国ロンドンに留学して、語学学校、演劇学校に通う。99年帰国。02年映画「自殺サークル」。15年映画「リアル鬼ごっこ」。17年短編映画「予定は未定」主演。170センチ。