東映元社長の手塚治さんお別れの会に吉永小百合ら1700人 南野陽子、内藤剛志らメッセージ

東映元社長の手塚治さんのお別れ会に設置された遺影

2月14日に肺動脈血栓で62歳の若さで急逝した、東映元社長の手塚治さんのお別れの会が5日、都内で開かれた。

お別れ会には、手塚さんが社長を務めていた21年に公開された映画「いのちの停車場」に主演した吉永小百合(78)、最初にプロデューサーとして制作に関わった、フジテレビ系「スケバン刑事」シリーズに主演した斉藤由貴(56)ら1700人が参列した。

手塚さんは千葉県出身で、1983年(昭58)に青学大文学部卒業後、東映に入社。ドラマプロデューサーとしてフジテレビ系「スケバン刑事」シリーズやテレビ朝日系「科捜研の女」シリーズを手がけ、20年6月に社長に就任。21年6月に病気療養を要するため、当時の多田憲之相談役(73)が会長に就任し、その後は療養しながら業務を続けた。東映は22年に年間興行収入325億6366万570円と史上最高を記録し、手塚さんは1月31日に都内で行われた日本映画製作者連盟(映連)新年発表会で「今後も魅力ある作品を発表する」と意欲を見せたばかりだった。

会場には、手塚さんの足跡をたどる15分間の映像が流れた。映画青年だった高校生時代、多くのヒットドラマを手掛けたプロデューサー時代を経て、精力的に社内外の改革にまい進した経営者としての手塚の足跡を、貴重な写真や映像、そして関係者のインタビュー音声とともにまとめた。

プロデューサー時代から苦楽を共にした「スケバン刑事」に主演の南野陽子(56)や「科捜研の女」に主演の沢口靖子(58)と共演の内藤剛志(68)らが、映像内への音声や、会場で配られた冊子に追悼のメッセージを寄せ、手塚さんとのエピソードを披露した。

南野陽子 「スケバン刑事2」の撮影が38年前。高校3年生の私は、来る年の撮影時間を確保するためにも絶対に卒業を遅らせるわけにはいきませんでした。出席日数は足りておらず、ならばテストの成績で、、、となり、夜、ドラマの撮影が終わってから楽屋で勉強。その先生がアシスタントプロデューサーの手塚さんでした。といっても、眠い私はやる気もおきず、全く捗りませんでしたが、、、。そして、無事卒業したものの、大学生活に憧れていた私の想いを察し、母校の大学に連れていってくれたり、読むべき本や映画を薦めてくれたり、グチを聞いてくれたり、皆で花火をしたり、、、大ヒットプロデューサーになっても、社長さんになっても、体調が思わしくないときも、ずっとずっと家庭教師のお兄さん、、、というような存在で、支えていただきました。まだまだ来る歳のために、その存在は必要なのですが、どうして、、、。早すぎるでしょう、、、。と、したためつつも、ほんとうに実感がないというのが本音です。安らかな眠りにつかれますようにお祈りいたします。

内藤剛志 今一番寂しくて悲しいのは、手塚さんの声が聞けないことです。

あの印象的な良い声。いつも笑顔で丁寧にお話しになる声。そしてきちんと届くように話されて、僕は何度も「腑に落ちるとはこういうことだな」と思いました。その声が聞けないのが今はとても寂しいです。

「内藤さんは東映の俳優だから」と言って下さった一言で、今日ここまで来ました。その声が未だ耳に残っています。たくさんの現場での楽しい想い出と、笑顔の手塚さんと、そして手塚さんの声を、永久に心に刻んでいきたいと思います。

本当に長い楽しい時間をありがとうございました。

そして、僕はまたどこかできっとまたお会いできると信じております。手塚さん、ありがとうございました。

映像と冊子では、手塚さんが手掛けた最後の作品となった、1月公開の「レジェンド&バタフライ」の大友啓史監督の談話も紹介した。

大友啓史監督 撮影現場でお会いする度に「楽しみにしています、思い切り演出してください」と笑顔で声をかけてくださり、東映70周年記念映画「レジェンド&バタフライ」へ想いをひしひしと感じておりました。体調のことは伺っていたのですが、それを感じさせることは無く、いつも東映への愛情と映画界を盛り上げたいという静かな情熱、強い志が真直ぐに伝わってきました。公開後の2月、突然の訃報を伺い、全身から力が抜けるような虚脱感を覚えました。人生におけるこのタイミングで手塚さんにお会いできたこと、そして公開を見届けて頂けたことは、私にとって大きな財産であり、誇りです。手塚さん、ありがとうございました。安らかにお眠りください。

映像では「我々の商売は『物語』をすることです」と熱く語った手塚さんのスピーチや、その遺志を継ぐ者として吉村文雄社長の「手塚さんがこだわっておられた『ものがたりを作り続ける会社であること』という理念は、私が責任をもって引き継いでまいります」とのコメントも紹介された。

主な参列者は、以下の通り。(五十音順、敬称略)

◆俳優 浅野ゆう子、伊藤英明、大路恵美、大西結花、上川隆也、金田明夫、岸部一徳、北大路欣也、久保田磨希、斎藤暁、斉藤由貴、笹野高史、沢口靖子、高島礼子、舘ひろし、内藤剛志、中村由真、中山忍、橋爪功、半田健人、東山紀之、雛形あきこ、星野真里、松井誠、松下奈緒、松下由樹、松平健、三田佳子、山口香緒里

◆監督 伊藤俊也、入江悠、榎戸耕史、大友啓史、梶間俊一、鹿島勤、阪本順治、前田哲、源孝志、本木克英