女優花瀬琴音(21)が7日、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で行われた初主演映画「遠いところ」(工藤将亮監督)の初日舞台あいさつに出席した。
モスグリーンのサテンドレスで登場。撮影の思い出について「ほとんどのシーンが精神的につらくて、アオイとして大変だったシーンは多かった」と振り返り、肉体的に最もきつかったものに「はだしで走るシーン」を挙げた。「何度走っても工藤監督に『疾走感が足りない、本当に逃げているのだから本気で走れ』と言われて。でも、見ていただいたらわかると思うのですが、スローモーションで編集されているんですよ!」と語り、会場は驚きと笑いで包まれた。
工藤監督は「すみませんでした」と頭を下げるも、花瀬は「でも、あのスローがアオイの必死さが伝わり、画として素晴らしいんですよね」とすかさずフォローしていた。
映画では沖縄の若年層を取り巻く貧困やDVなどの状況を描き、花瀬は17歳ながら1児の母としてキャバクラで働く主人公、アオイを演じる。作中では初のぬれ場シーンにも挑戦。花瀬ら一部の出演者はクランクインの約1カ月前から沖縄入りし、作中でアオイと夫のマサヤが暮らしていた家に実際に住み込んで方言や現地の人々の生活を体になじませた。
警察官役を演じた沖縄出身の尚玄は「沖縄の若年層の貧困を描いていますが、この問題は沖縄だけの問題でないと思っています」と語り「人ごとではなく、みんな自身の問題としてちゃんと想像して向き合っていくことが大切だと思っています。もしこの作品を見て感じるものがあれば、ぜひ周りの皆さんにも伝えてほしいです」と呼びかけた。 映画は6月9日から沖縄で先行公開され、4周目で動員が約1万4000人を超えるヒットに。映画賞出品もしており、第56回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭では最高賞を競うクリスタル・グローブコンペティション部門に日本映画として10年ぶりに選出。第23回東京フィルメックスのコンペティション部門で観客賞を受賞するなど、国内外の映画祭で話題を呼んでいる。
最後に花瀬は、「皆さんがどう感じるかをすごく大切にしていただきたいですし、何か感じた時はより多くの人に見ていただけるように協力していただけたら幸いです。本当にありがとうございました」とあいさつして締めくくった。舞台あいさつには石田夢実、佐久間祥朗、工藤監督も登壇した。