歌手三波春夫さん(享年77)の生誕100周年となる19日に、記念BOX「決定版 三波春夫映像集」(テイチクエンタテインメント、税込み2万2000円)が発売される。
DVD4枚組で、<1>現存するNHK紅白歌合戦の出場映像<2>同局の「ビッグショー」「思い出のメロディー」「歌謡コンサート」などの出演映像<3>歌手生活20周記念リサイタル(東京・荒川区民会館)<4>同55周年記念リサイタル(東京・歌舞伎座)、で構成されている。トークや浪曲などの特典映像も含め、実に97映像が収録され、初商品化となる映像が満載だ。
三波さんは1923年(大12)7月19日、新潟県の現長岡市塚野山で生まれた。20歳で陸軍に入隊。敗戦で4年間、旧ソ連のシベリアに抑留された。帰国後、浪曲師となり、57年に三波春夫として「チャンチキおけさ/船方さんよ」で歌手デビュー。「東京五輪音頭」(63年発売)や大阪万博の「世界の国からこんにちは」(67年発売)を歌い、国民的歌手となった。
NHK紅白歌合戦に29年連続31回出演しているが、初出場で「雪の渡り鳥」を歌った第9回(58年)など、映像が残っていない回もある。その中で音声が残っているものは「音声特典」として収録されている。
映像集は1曲1映像が多いが、例えば「チャンチキおけさ」は計5映像、長編歌謡浪曲の傑作「元禄名槍譜 俵星玄蕃」は計7映像が収録されている。三波さんが最後にテレビ出演した00年8月のNHK歌謡コンサートで、生涯最後の新曲「富士山」を披露した映像もある。翌年4月14日に、前立腺がんで亡くなった。
長女でマネジャーも務めた三波クリエイツ社長の美夕紀さんは「若くエネルギッシュな時代から円熟した芸になっていく、その過程も見える三波の生涯が詰まった映像集です。映像から『昭和』が伝わって来ます。すべて、一貫して笑顔なのが印象的です」と話している。
【笹森文彦】