J・キャメロン監督、潜水艦ツアーの規制呼びかけ タイタニック号観光のタイタン号の事故受け

ジェームズ・キャメロン監督(2022年12月撮影)

アカデミー賞を受賞した米映画「タイタニック」(97年)でメガホンを取ったジェームズ・キャメロン監督(68)が18日、北大西洋で沈没した豪華客船タイタニック号の残骸を見学するツアー中に圧壊し、乗組員5人が亡くなった潜水艇タイタン号の悲劇的な事故を受け、潜水艇ツアーの規制強化を訴えた。自身もタイタニック号の残骸まで過去33回潜水した経験を持つ同監督は、カナダのオタワで行われた王立カナダ地理学会が主催するイベントで講演し、潜水ツアーを運営するオーシャンゲートは「厳格さと規律が欠けていた」と批判。潜水艇を「乗客を乗せた船や漁船と同じように扱うべき」だとし、新たな規制が必要だとの考えを示した。

潜水艦ディープシーチャレンジャー号に乗ってマリアナ海溝の世界最深の海底に到達したことのあるキャメロン監督は、「今日まで死亡事故も、死者も、爆発もなかった」と話し、タイタン号の破滅的な圧壊はデータ資料上において「極めて異常値」であると指摘。「我々は、、半世紀にわたって安全だったということ。私たちは人間の失敗の可能性を思い起こさなければならない」と述べた。

この事故で友人のタイタニック号探査の専門家として知られる仏人探検家ポールアンリ・ナルジョレ氏を失った同監督は、「精神的なショックがある。腹にパンチを食らったようなもの。爆発が起こるとは予期していなかった。なぜなら、圧壊を防ぐためにデータの解析やコンピューターシミュレーションなど全てのことに時間を費やしているからだ」と述べ、オーシャンゲートは「残念ながら(我々と)同じ厳格さと規制を持ってそれに取り組まなかった」と批判した。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)