63年ぶりとなる全米脚本家組合(WGA)と全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)のダブルストライキは、バイデン米大統領の政治資金集めにも影響を及ぼしていることが分かった。
来年の米大統領選で再選を目指すバイデン大統領にとって、民主党支持層が多いカリフォルニア州は資金集めにおいて重要州であり、なかでもロサンゼルスには映画界の大物プロデューサー、ジェフリー・カッツェンバーグ氏ら大口献金者が多いことで知られる。これまでも度々ハリウッドの大御所やセレブら支援者を集めた大規模な資金集めイベントが行われており、本来ならこの夏にも資金集めのためにロサンゼルスを訪問する計画があったという。
しかし、オンラインメディアTMZによると、バイデン大統領は現在ハリウッドで行われているストが解決するまでは、ロサンゼルスで資金集めイベントを行う予定はないと情報筋が語っているという。WGAに加えて16万人が加入するSAG-AFTRAも待遇改善や人工知能(AI)の使用規制を求めて今月中旬からストを行っており、ストを支援する大統領がこの時期に巨額の資金を集めるためロサンゼルスを訪問することは不適切だと考えているようだ。一部の支援者がこの夏にロサンゼルスで政治資金パーティーを主催する話もあったというが、次回の訪問は決まっておらず、ストが解決するまでバイデン大統領がロサンゼルスに来ることはないだろうとデッドラインも伝えている。
バイデン大統領は労働組合を支持してきた長い歴史があり、WGAスト入りした際には「ストライキが解決し、できるだけ早く脚本家にふさわしい公正な契約が与えられることを心から願っている」とコメントしていた。現段階でストが解決する見通しは立っておらず、来年まで続く可能性も取り沙汰され始めており、長期化すればバイデン大統領の選挙資金調達への影響も避けられそうにない。
TMZによると、バイデン大統領は2020年の大統領選では全米最高となる1億550万ドルの選挙資金をカリフォルニア州で集めたといい、これは全体の21%にも及ぶ額だという。女優ジェニファー・ガーナーや歌手で女優のバーブラ・ストライサンド、シンディ・ローパーらがイベントを主催し、1度に270万ドルを集めたこともあったという。一方で、10万ドルを献金した支援者の中には組合と対立するネットフリックスの創業者リード・ヘイスティングス氏らも含まれており、労使対決の両者が支援者であることも問題を複雑にしているようだ。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)