奥田瑛二と安藤桃子監督が親子で東京国際映画祭ポスター 笠智衆さんと原節子さんにオマージュ

奥田瑛二と長女の安藤桃子監督を起用した、第36回東京国際映画祭のポスター

東京国際映画祭事務局は17日、10月23日から11月1日まで日比谷、有楽町、丸の内、銀座地区で開催する第36回のポスターに、俳優で映画監督の奥田瑛二(73)と長女で映画監督、高知県の映画館「キネマM」の代表を務める安藤桃子監督(41)を起用したと発表した。また、同映画祭の「顔」として俳優を起用してきたフェスティバル・アンバサダーを、ナビゲーターと改め、同監督が就任することも併せて発表した。

今年の第36回東京国際映画祭では、生誕120年となる小津安二郎監督の特集を組む。そこで、同監督の代表作の1つである1953年(昭28)の「東京物語」にオマージュを捧げるようなイメージで、東京駅近くのKITTE丸の内の屋上庭園で「東京物語」の劇中で義理の親子を演じた笠智衆さんと原節子さんのように、奥田と安藤監督の親子を撮り下ろした。ビジュアル監修は22年同様、コシノジュンコ氏が務め、東京近郊の映画館で18日から掲出予定。

奥田は、第36回東京国際映画祭のポスターに長女の安藤監督と起用されたことについて「親子で同じ映画監督という立場で、このような大役を賜ったということは、我々の人生においても大きな思い出になる」と喜びを語った。さらに「自分たちが監督としても東京国際映画祭を含んで世界に発信できるわけですから、意識も自然と前を向いて、しゃきっと前を向いて目指すところは、そこだという意識を再確認した、親としての奥田瑛二でございます」と、その意義も語った。

安藤監督は「親子で、こうやってさせていただくことで、映画という芸術表現が、みんなが1つに繋がっていける1つの世界共通言語だと思うので、象徴的なことをすごく感じて、とってもうれしく、ありがたく思っております」と笑みを浮かべた。加えて「父から受け継いだ映画のバトンというものが、今、自分にもしっかりとあって、ここに生きているので、それを繋いでいきたいし、そういう表現になったら良いなと思います」と、今回の親子でのポスター起用の先に、映画のバトンを後世につないでいく意義があると強調した。

奥田は「今年度36回目…これは、新しい東京国際映画祭のスタートです。ぜひ、参加しないと、損をしますよ」と呼びかけた。安藤監督も「今回、親子でポスタービジュアル撮影をさせていただきました。私も小学生の娘がいます。こうやって世代、言語を超えて1つになれるのが映画だと思います。東京のど真ん中で、みんなで映画を通じて1つになりたいです。お楽しみに!」と笑みを浮かべた。

安藤監督は、ナビゲーター就任にあたって、コメントも発表した。

「争いも限界もなく、どんな存在にも光を当て、時間も空間も飛び越えて、自由自在に生きられる世界。映画はあらゆる物語を具現化できる。映画は世界を変えられる。映画で世界が変わる。本当に、そうなんだと思っている。映画は人の心を映し出す。目に見えない風や小さな生き物たちも、すべてのイノチを映し出す。心の内にある、過去も未来も記憶し、記録する。2023年の今、私たちは何を見つめ、どこへ導かれるのだろう。映画祭は世界の羅針盤だ」

また、東京国際映画祭事務局は、東京国際映画祭のミッション(理念)として

「東京から映画の可能性を発信し、多様な世界との交流に貢献する。」

との一文を発表した。

同事務局は「この1年でスタッフ一同で意見を出し合い、『東京』『国際』『映画』『祭』をきちんと言葉通りに体現できるようにということで考えました」と、ミッション策定の経緯を説明。「『映画の可能性』にはアート作品からエンタメ大作まで様々な作品が生み出される可能性、人生や文化、世界を変える可能性、過去の遺産の継承(旧作)・現在の多様性の享受(最新作)・未来の開拓(野心作)への可能性、など様々な思いを込め、『多様な世界』には国・人種・性別・民族・宗教・言語・価値観・世界観などの様々なボーダーを越えたもの、国外だけでなく国内も含み、製作者と観客のボーダーも越えたものといったことを意図し」と、ミッションの意味も説明した。そして「映画の力で多種多様な世界をよりカラフルにしていけたらと思っております。そして、最終的にはお祭りとして楽しんで頂ければと思っています」と呼びかけた。

10月23日のオープニングセレモニーには22年同様、東京宝塚劇場で、クロージングセレモニーはTOHOシネマズ日比谷(スクリーン12)で、それぞれ開催する。会期中の上映劇場は、22年から加わった丸の内TOEI、丸の内ピカデリー、TOHOシネマズ日比谷の大型劇場のほか、角川シネマ有楽町、シネスイッチ銀座、ヒューマントラストシネマ有楽町、TOHOシネマズシャンテに、新たにヒューリックホール東京が加わる。上映本数は、22年よりもさらに拡大する予定だとした。