クラシックキャラバン最年少ソリスト バイオリニスト前田妃奈、さらなる高みへの挑戦を計画中

「クラシック・キャラバン2023」出演のソリスト最年少バイオリニストの前田妃奈(撮影・中島郁夫)

コロナ禍からの復興を目指して開催中の「クラシック・キャラバン2023」(来年1月7日まで、全国27公演)で最年少ソリストとして初出演しているのが、バイオリニスト前田妃奈(ひな=21)だ。このほど、取材に応じた。

今月13日の東京・サントリーホール公演では、武満徹「ノスタルジア」を、堂々たる演奏で披露した。

「コロナ禍の始まりは、まだ高校生でした。突然、演奏会が中止になったりもしたけど、あんな大変なことになるとは思っていませんでした」

昨年10月にポーランドで開催された、若手バイオリン奏者のための「第16回ヘンリク・ヴィエニャフスキ国際バイオリン・コンクール」で優勝。日本人の優勝は1981年(昭56)の漆原啓子以来、41年ぶりという快挙で、同時にヴィエニャフスキコンチェルト賞、カプリス賞、ソナタ賞、ベートーベン・ブラームス作品賞の4つの特別賞も受賞した。

バイオリンを始めたのは、4歳の時だった。

「作曲家の宮川彬良さんが出ていたNHK『クインテット』を見ていたら楽しくて好きになりました。でも、バイオリンは、音を理解するのが大変ですね」

中学時代は、その難しさに逃げ出そうとしたこともあった。

「割と“ストライキ”してましたね。『練習しなさい』って言われたくない、練習したくない、だから練習しない…。弾けないのにレッスンに行きたくないので、レッスンの1時間前とかに家から逃亡したりしてました(笑い)」

現在、東京音大3年。すでにプロとして活動しているが、大学卒業まで1年半で「多分、留学かな。考えているのはドイツのクロンベルク・アカデミーです.ドイツ語はしゃべれないんですけど」と、ドイツ・フランクフルト近郊にある世界最高峰の音楽塾で、さらなる高みへの挑戦を口にした。

素顔は普通の大学3年生。「お休みがあったら、まず寝ます(笑い)。趣味は読書。結構いろんなジャンルを読みますけど、東野圭吾さんの小説が好きです。もしもバイオリンを弾いてなかったら、今の時期はバリバリ勉強していたと思います。分かりやすく人の役に立てる職業、お医者さんとか、警察、消防士とかを目指していたかも」と話している。

◆前田妃奈(まえだ・ひな) 2002年(平14)9月12日、大阪府生まれ。4歳からバイオリンを始める。東京音大学付高をへて、現在は東京音大3年在学中。19年第88回日本音楽コンクールバイオリン部門2位及び岩谷賞(聴衆賞)。20年第18回東京音楽コンクール弦楽部門1位及び聴衆賞。

◆前田妃奈(まえだ・ひな) 2002年(平14)9月12日、大阪府生まれ。4歳からバイオリンを始める。東京音大学付高をへて、現在は東京音大3年在学中。19年第88回日本音楽コンクールバイオリン部門2位及び岩谷賞(聴衆賞)。20年第18回東京音楽コンクール弦楽部門1位及び聴衆賞。使用楽器はグァルネリ・デル・ジェスの1736年製バイオリン「ムンツ」。