市原隼人「嫌なニュース、理不尽、矛盾だらけの世の中だから…僕は信じられるもの作りたかった」

ドラマ「おいしい給食 season3」1、2話最速プレミア上映会&トークイベントで涙声になって熱く語る市原隼人(撮影・村上幸将)

市原隼人(36)が5日、東京・新宿ピカデリーで行われた。主演の連続ドラマ「おいしい給食 season3」(綾部真弥監督)1、2話最速プレミア上映会&トークイベントの檀上で感極まった。

市原は舞台あいさつの最後に、観客に向かって作品への熱い思いを語った。

「いつも、本当にありがとうございます。嫌なニュースや理不尽なことや、愛のないウソや、矛盾だらけの世の中で、何を信じていいか分からなくなってしまうことがあると思うんです。だから…僕は信じられるものを作りたかった。この作品にかけたんです。作品を作るというのは、ビジネスと夢が混沌(こんとん)とする世界なんですが…僕は何があっても、夢を先行させます。この作品は、僕らと皆さまにとっても夢なんです」

「おいしい給食」は、1980年代の中学校が舞台で、綾部真弥監督(42)が脚本も手がけたオリジナル作品。市原は、生徒に厳格な一方、母の作る食事がまずく頭の中に給食のことしかない、給食絶対主義者の教師・甘利田幸男を演じるために衣装合わせ、台本読みなど、同監督と度重なる議論を重ね、作品と役を作り上げた。19年10月期に連続ドラマが全10話放送されると、20年3月に映画「劇場版 おいしい給食 Final Battle」が公開。21年10月期には連続ドラマ2年ぶりの続編「-season2」が放送され、22年5月には2本目の映画「劇場版 おいしい給食 卒業」が公開と、市原にとって主演作で初のシリーズ化作品となった。

「-season2」では「給食と健康食」をテーマに、健康に留意した献立だけでは給食の真の素晴らしさは伝わらない…おいしく食べてこそ健康だという思いを描いた。「劇場版 おいしい給食 卒業」で甘利田が函館への転勤が決まり、ゴウとの別れを描いたラストの、その先を描く「-season3」のテーマは「給食の完食主義」。「残さずにきれいに食べましょう」という美徳の下、教師が給食の完食を求めることで、一部の生徒に給食をトラウマにさせてしまった時代が存在した、日本の学校教育の歴史を踏まえたテーマだ。

舞台は1988年(昭63)の、冬の北海道函館市。甘利田が赴任した忍川中学校に勤務する教師歴半年で帰国生の英語教師・比留川愛を大原優乃(23)甘利田の新たな食のライバルになる男子生徒・粒来ケンを田澤泰粋(15)甘利田の良き理解者でもある忍川中学校の坂爪勲校長を小堺一機(67)が演じる。市原は「お子さまが見ても、目を背けさせるようなシーンがないように、人生のキャリアを重ねた方でも楽しめる…大まかに言えばコメディー。なんですけど、根底には忘れかけているような大事なことを、たくさん詰め込んだ作品です」と言い、声を詰まらせた。

今作からシリーズに参加した大原について、市原は「優乃ちゃんが女性としても、すごく魅力的な、新たなヒロインを作ってくださった。自分の撮影が終わっても帰らない。監督のモニターの横に座って『作品を、しっかり感じたいので見させてください』と、ずっと帰らない。こんな女優さん、なかなかいらっしゃらないので、その気持ちが、死ぬほどうれしかった」と絶賛した。今回、初めて教師役を演じた大原は「生徒の皆さんに先生にしていただいた。感謝しております。市原さんが役柄と同じように作品の真ん中に立たれて、現場にいらっしゃる姿を見て本当に多くのことを学ばせていただき、心から尊敬しています」と言い、目を潤ませた。

田澤も「市原さんに、表情を引き出していただいた。感謝しかないです。優しくて、格好良くて、質問をたくさんさせてもらって親切に優しく教えてくださった。僕は市原さんのような俳優になりたいと思います」と市原に感謝した。市原は「僕は、泰粋には勝てないんですよ。本当に純粋無垢(むく)で…尊敬します」と言い、田澤に笑顔を送った。