<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>
カンテレ制作フジテレビ系連続ドラマ“月10”枠に注目している。昨年秋から記者は放送担当になった。すべてのドラマを見てきたわけではないが、カンテレ制作“月10”枠には、一視聴者として強いメッセージ性を感じることができる。先日、「転職の魔王様」の関西テレビ萩原崇プロデューサー(40)を取材させていただく機会に恵まれた。ドラマ最終話の見どころとは別に“月10”への思いも聞くことができた。
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放送担当として見た直近1年の“月10”枠のドラマには、制作者の意図が明確に伝わる作品が続いているように感じる。昨年10月期「エルピス-希望、あるいは災い-」(長澤まさみ主演)、1月期「罠の戦争」(草なぎ剛主演)、4月期「合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~」(天海祐希主演)、7月期「転職の魔王様」(成田凌主演)。「合理的-」と「転職-」を担当した萩原プロデューサーは“月10”への熱き思いを明かした。
「今一緒にやっているプロデューサー陣もみんな感じていると思いますが、“月10枠に対する思い”としては、『とがっているかどうか、カンテレっぽさがあるかどうか』、そういった部分を必ず持つようにする、という共通認識があります」
7月期までフジテレビ系はゴールデンプライム帯(午後7時~11時)に4つの1時間ドラマ枠を保持し、10月期からは「金曜9時」枠が54年ぶりに復活。民放最多を更新する5つの1時間ドラマの枠同士でのすみ分けも大事となってくる。
「“月10”は、カンテレとして、ゴールデン帯でやっている大事な一枠です。そこに全力投球する中で言うと、何かジャンルを1つに絞って、というような固め方は基本、していません。それぞれ1つ1つの題材に、どれだけ自分の言葉で語れる“エッジの効いた部分”があるか、そこは、最後まで追求すべきだなと思います」
歴代の先輩プロデューサーから受け継いできた“カンテレマインド”も明かしてくれた。
「それは、“月10枠”になる前からのカンテレイズムであると感じていて、今のカンテレドラマのリーダーである河西部次長(河西秀幸、『罠の戦争』プロデューサー)も『僕らは野武士集団』と、常々言ってますけど、本当にその通りだなと。キー局さんのやっているドラマとは、また少し違う。自分たちがゴールデンで戦うのであれば『挑戦的だね』とか『違う視点だね』とか『カンテレ攻めているね』って思ってもらえるものを目指す。それが『事件もの』だったり『恋愛もの』だったり。どんなジャンルであっても、視聴者の皆さんにそう感じてもらえるように、自分は少なくとも、その“カンテレイズム”を忘れないようにしなきゃいけないなと思っています」
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萩原プロデューサーが担当した7月期の「転職-」についても、制作意図を明かしてくれた。成田凌が演じる主人公の来栖嵐は「転職の魔王様」という異名を持つ“最恐毒舌”のキャリアアドバイザー。求職者が抱える仕事や生き方への悩みを痛烈な言葉で一刀両断しながらも、働く自信と希望を取り戻させる“転職”爽快エンターテインメント。プロデューサーとしてはエンタメとリアリティーの両立に心血を注いでいた。
「分かりやすい、お仕事ドラマという風にはくくりたくはなかった。ちょっと見ていてしんどいって思われる部分も多かったと思います。そこはあえて挑戦した部分でした。“パワハラ上司”や“ふがいない状況”など、リアリティーがありすぎて、経験のある方にとっては、ちょっと見ていて目をそむけたくなる場面であっても、あえて描きました。ただ、セリフのトーンとか画面の色合い、質感なども含めて、新しいお仕事ドラマ、転職ドラマを届けられたらいいなとは思っていました」
10月期の“月10”は橋本環奈主演の「トクメイ!警視庁特別会計係」が16日からスタートする。“月10”枠から匂い立つ“カンテレ魂”から目が離せない。
【高橋洋平】