井浦新「泣かしたみたいになっちゃうから…」映画「つんドル」原作・大木亜希子氏の涙に大慌て

映画「人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした」公開記念舞台あいさつで、井浦新にたたえられ、涙する大木亜希子氏(撮影・村上幸将)

井浦新(49)が4日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた、深川麻衣(32)の主演映画「人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした」(穐山茉由監督)公開記念舞台あいさつで、元SDN48で同名小説の原作者・大木亜希子氏(34)をたたえ、同氏の涙を誘った。

「人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした」は、会社員だった大木氏が会社に行けなくなって休職し、1人暮らしのサラリーマンと定年退職まで期間限定で共同生活を送った実話を元に、19年に刊行した同名の実録私小説の映画化作品。実際に同居を勧めたのは姉だが、小説では同居を勧めたのは友人として描いている。深川は劇中で仕事なし、彼氏なしの元アイドル安希子を演じ、同居するササポンを井浦が演じた。

井浦は、大木氏について「全てが、ちゃんとしている。この、ちゃんとしていることって、どこから生まれたんだろうと思う時に、台本を見て、作品を見た時に大木さんの物語は、これだけじゃないと思う。でも、作品という一部を通して見た時に、経験を通して人とのコミットの具合、話し方、礼節がちゃんとしている」と絶賛した。

さらに、井浦が「何より、仕事を超えて人として素晴らしい」と続けると、大木氏は泣き出した。これには、井浦も「何で、泣いているの? やめましょうよ、泣かした、みたいになっちゃうから。ビックリした」と大慌てだった。

大木氏は「良い意味で泣かせてくれたって書いてくださいね」と、取材陣に呼びかけた。そして「(自分は)皆さんに形づけてもらった、人によって人が作られるんだなというのが、この映画のテーマになっていますし。本当に弱い人間の自分が立ち上がれたんだから、来てくれた皆さんも悩みがあっても立ち上がれるんだよと伝えたい」と客席に呼びかけた。

大木氏は、原作に書かなかった実話エピソードを求められると、双子の姉で女優の奈津子(34)に20万円、借りたエピソードを明かした。「(劇中で)『残高10万円』とって素晴らしい歌を、麻衣さんが歌ってくださっていますけど、実際の残高は3万円。実の姉が、ふびんに思って20万円、貸してくれて月々3000円ずつ返却して。この間、返し終わったところです」と語った。

また執筆、出版した当時を振り返り「19年の秋に書いた時は仕事を失い、一番大事な恋を失った状況だった。この世界は、きっと自分にとって優しくない世界だと、すさんだ。覚悟を決めて書いて、出版して、すぐ話題となった。元気になれたとか言われた一方で、1つ屋根の下に男女が生活することで面白おかしい切り取られ方をしたことがあった。編集者と2人で、この世界と戦っている気がした」と振り返った。映画化が実現し、公開された思いを聞かれると「ひと言で申し上げると、うれしい奇跡が起きたなと」と感無量の様子だった。