山田洋次監督「とっても楽しみ」舞台化手掛けた小津安二郎監督作「東京物語」再演成功祈願

初春新派公演「東京物語」柴又イベントで笑顔を見せる山田洋次監督(撮影・垰建太)

山田洋次監督(92)が脚本、演出を手がける初春新派公演「東京物語」(24年1月2~26日、東京・三越劇場)の成功祈願が10日、東京・柴又の帝釈天で行われ、山田監督、劇団新派の水谷八重子(84)波乃久里子(77)河合雪之丞(52)らが参加した。

小津安二郎監督の映画は1953年(昭28)に公開。年老いた両親の上京を通して生じる世代間のずれ、家族、人とのつながりなどを描いた。山田監督によって舞台化され12~13年に初演、20年に再演予定だったがコロナ禍で中止になった経緯がある。

山田監督は「久しぶりに新派の皆さんと仕事ができる。とっても楽しみにしています」とし「日本人、下町の人たちが戦後をどのように生きてきたかを観察し思い出したりすることができるんじゃないか。日本や日本の文化について考えるきっかけになるような芝居にしたい」と話した。

柴又に近い金町を描いているため、山田監督は「『東京物語』に登場する人たちは、もしかしたら寅さんにも会っているんじゃないか。そういう親しさを感じます。時々草団子も食べたりしたのかな」などと話し、代表作「男はつらいよ」とのクロスオーバーを想像していた。近くには「葛飾柴又寅さん記念館/山田洋次ミュージアム」があるため、柴又は頻繁に訪れるとしたが、この日は「東京物語」への思いをはせた。

水谷は「身につまされるお芝居。だいぶ昔のお話のようで、今起こっている物語ではないかと思います」と普遍性を語った。

波乃は「お正月から大好きな監督とお芝居ができ、こんなにうれしいことはありません」、17年に新派入りした雪之丞は「私だけ山田監督のご指導をいただいたことがなかった。願いがかないました」と喜んだ。

ほか、丹羽貞仁、瀬戸摩純、田口守、石原舞子、児玉真二、喜多村一朗らが出席。【小林千穂】