吉本新喜劇が11日から2日間に渡り、中国・上海で開催中の「第9回上海コメディーフェスティバル」で上演を行った。
舞台横には中国語字幕が流れるモニターを設置し、観客たちは字幕を追いながらも笑いあり涙ありのストーリーにくぎ付けとなった。客席を巻き込む演出や参加型ゲームなどもあり、上海市内から集まった多くの観客からは何度も爆笑が起こった。
座長を務めたアキは終演後、「とても貴重な機会をいただきました。来年もまたぜひ同じメンバーで上海に来たいです」と喜びを語った。
吉本新喜劇は、2019年の同フェスティバルのオープニング作品として参加して以来、4年ぶりの上演。演目は「嵐を呼ぶスパッツ男」。アキ演じるスパッツ男・アキ助が、老舗旅館を切り盛りする兄(西川忠志)のもとへ3年ぶりに帰る。しかしアキ助は、ある誤解から逃亡犯なのではないかと疑われ、兄の婚約を破断にしてしまうことに…というストーリーだ。
ほろりとさせるストーリーのなかに、お決まりのギャグやシュールな間がたっぷり詰め込まれた大爆笑のステージに、客席は大盛り上がり。「吉本新喜劇を見るのは初めて」という観客が大半を占めた公演だったが、「たこ焼き2つで1000万円です」のせりふでこけるシーン、怒るとイカが出てくるなどの意味不明な演出、アキ助とたこ焼き屋(瀧見信行)がせりふもなく延々と向き合う独特の間などには、「理由もなく吹き出してしまった」という声も。中国語でのアドリブやダンス、観客のウエーブを取り入れた演出などもあり、客席を埋めた子供たちも歓声をあげて喜んでいたという。
アキは「とても勉強になった。最初から最後までずっと楽しかったです」と感想を述べ、過去に海外公演も多く経験している末成映薫は「やはり笑いは世界共通だと思いました。上海だけでなく世界中をまわって、皆さんに笑っていただきたいなという気持ちになりました」と語った。
日本以外で新喜劇を演じるのは初めてだったという西川忠志は「最初、お客さんが字幕を見ている時の間について戸惑いもありました。ですが稽古中、その間も自然に埋めながらお芝居を進めることができていました。これは新たな発見でした」といい、スタッフ、キャストのチームワークや絆を感じたと笑顔を見せた。
また、日中関係が緊張状態にあるなかでの公演について質問が出ると、アキは「実際に来てくださったお客さんを見て、笑いを愛している人が来てくれているなと感じました。ニュースを見た感じと、実際に舞台で感じるものは違うなと。心配はなかったですね」。 末成も「笑いには国境はないものだと私は考えておりますので、今回の公演で(日本と中国は)また近づいたんじゃないかな、仲良くなれたんじゃないかなと思っています」と語った。