松田翔太(38)が企画に初挑戦し、約3年かけて開発しキャスティングにも動いた新感覚のドラマ「THE TRUTH」に主演することが16日、分かった。
役所広司(67)がカンヌ映画祭(フランス)男優賞を受賞した映画「PERFECT DAYS」(12月22日公開)で、ヴィム・ヴェンダース監督(78)と共同脚本を務めた高崎卓馬氏(54)がタッグを組み、総合演出と脚本を担当。松田本人がMCを務め、毒とユーモアで世の中の真実に迫る架空のニュースショーを展開する。テレビ東京で12月5日から放送(火曜深夜0時30分、全4回)する。
「THE TRUTH」は、ニュースショーらしく豪華ゲストと討論を繰り広げる。加えて「料理コーナー」「英会話コーナー」「街頭インタビュー」など、さまざまな企画が登場。一見、どれもこれも役に立ちそうで役に立たない、役に立たなそうで役に立つシュールな内容のコーナーばかりだが「ついてこれますか。おいていきますよ」とのキャッチフレーズの元、リアルな現実社会にリンクするような内容で、忖度(そんたく)と事情に縛られるテレビの限界に挑戦する。
第1話では暴走族とYouTuberが議論の中で、それぞれの主張を展開する姿を通し「義憤」「正義」といったテーマを考える。また、倍速での映画観賞や「コスパ」「タイパ」といった昨今の風潮へのアンチテーゼなど、虚実ないまぜにしながら世の中に提言もし、人間の本質をあぶり出していく。コンプライアンスやルールに縛られず、自由で楽しかった時代のテレビをも意識した作品になる。
松田は、高崎氏と14年の「XYLISH」のCMなどでタッグを組み、互いに絶大な信頼を寄せて、親交を深めてきた。21年1月ごろから2人で企画開発を始め、テレビ東京の阿部真士プロデューサーと制作会社が今年2月に加わり、具体化を進めた。「高崎さんの書く言葉やせりふはいつも僕にすごく響いて引っかかるものがあって、言葉にできない世界やある一定のセンスの話を理解してくれる高崎さんといつか一緒に作品を作りたいと思っていました。ここ数年高崎さんとはずっとお話しさせて頂いていました。企画としては僕の中にある、こういう物を作りたいという情熱や言葉にできない、吐き出したい何かや感覚を一回言ってみたらどうなるんだろうという実験をしてみたかったんです」と、企画開発の経緯を説明した。
テレビ、映画含めた主演級の俳優のキャスティングにも成功した。「思春期の頃にみたコマーシャル、映画、雑誌、アニメなどの中でも自分が共感できる何かがあるモノが僕はずっと好きで、それを今回の作品に落とし込んでいくという、すごく繊細な作業をチーム全員で出来たんじゃないかなと思います。高崎さんとの出会い、今回の参加者全員との奇跡が重なり合って出来たと思っています。いろいろな感想はあると思いますが、僕たちはこれをやれた、ということにすごく重要性を感じています」と制作を振り返った。
そして「形にするまでが一番大変でしたが、この実験はここからが勝負。キービジュアルにもある『ついてこれますか。おいていきますよ。』という言葉は視聴者の皆さまに言っているのではなく、制作している僕らへの言葉だと思っています」と自らへも厳しい言葉を向けた。「僕の若い頃にあった、深夜番組や海外の作品などさまざまなセンスの良い作品で思春期のあの時にしかない時間『暇な』時間を過ごして来ました。その暇な時間が今では何ものにも変えられない時間となっています。新しい物を見た時、これはなんだろう?という引っかかりがある、あの感覚を、視聴者の方にも感じて頂けたらうれしいです」とコメントした。
「『ついてこれますか。おいていきますよ。』という言葉は視聴者の皆さまに言っているのではなく、制作している僕らへの言葉だと思っています」と語った真意については、日刊スポーツに対し、次のように回答した。
「撮影直前まで、クラインクインしてからも、試行錯誤しながら皆でアイデアを共有し想像しながら作っていましたが、実際に現場では想定していたこととは違うことが起こったり、ゲストの方々によって素晴らしい化学反応が起こったり、真っすぐ進むというより、形を変えながら撮影が進んでいました。その中、現場でポスターのデザインを見せてもらって『ついてこれますか。おいていきますよ。』というキャッチコピーを見てまさに撮影中だったこともあり、僕に言われているのかな、試されているのかな、と思ったと同時に、チームの皆にも投げかけていると感じました」
高崎氏は「松田翔太さんとのセッションは刺激的だった。撮影の直前までああでもないこうでもないと話しながら、本番になると笑いをこらえて何度泣いたことか。これだけの技術と存在感のあるゲストが集まってやる気がでないはずがない。そういえば子どもの頃、深夜のテレビは猛烈に妖しかった」と制作を振り返った。そして「知性と好奇心がうごめいていて大人だった。その感じを思い出して『ザ・深夜番組』をつくりました」と語った。イメージした深夜番組については「『東京イエローページ』(89年、TBS系)という、竹中直人さんの番組です。あとは放送ではないかもですがスネークマンショーの楽しいテレビというやつをずっと思い出していました」と語った。
テレビ東京の阿部真士プロデューサーは「みんながみんな同じ方向を向いて作品を作っていないか……と、ここしばらくモヤモヤした気分でした。テレ東は60周年だし、ここでバシっと(予算は少ないけど)、懐の広さを見せてはどうか、『テレ東深夜ドラマ黄金期を再び!』的な想いで、松田翔太さんと高崎卓馬さんに暴れてもらいました」と放送までの経緯を説明。「手綱は握っていません。フリーハンドです。テレビはもっと自由であっていいはず。若いプロデューサーたちに怒られ方を見せようと思います」と忖度(そんたく)のない番組を作り上げたと強調した。
◆松田翔太(まつだ・しょうた)1985年(昭60)9月10日、東京都生まれ。父は優作さん、母は女優松田美由紀、兄は松田龍平。妹は松田ゆう姫。英国に語学留学後、05年にTBS系ドラマ「ヤンキー母校に帰る~旅立ちの時 不良少年の夢」でデビュー。06年「陽気なギャングが地球を回す」で映画デビュー。07年のフジテレビ系「LIAR GAME」で連続ドラマに初主演し、同年の「ワルボロ」で映画初主演。18年にモデル秋元梢と結婚。近年は、22年のNHK「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」シーズン2に出演。181センチ、61キロ。血液型A。