両親に対する自殺ほう助の罪に問われた歌舞伎俳優市川猿之助(本名喜熨斗(きのし)孝彦)被告(47)に対し17日、東京地裁は、懲役3年執行猶予5年の有罪判決を言い渡した。
猿之助被告は松竹を通じ「言い表せない罪を感じています」などとしたコメントを発表。初公判では歌舞伎復帰への思いも示したが、執行猶予期間としては最長の判決、社会的影響などから今後、長く険しい道のりになることが予想される。
◇ ◇ ◇
猿之助被告は初公判で、職業を問われると「歌舞伎俳優です」と即答し、歌舞伎を「(自分の)存在そのもの」とした上で「僕にしかできないことをさせていただき、生きる希望にしたい」と復帰を望んだ。「許されるのであれば歌舞伎の舞台に立ちたい。歌舞伎で償いたい」という供述も読み上げられた。
ただ、事件は週刊誌が猿之助被告のハラスメント疑惑を報じたことに端を発している。初公判で「(記事を)信じ込まれれば、歌舞伎界を支えてくださった方々が離れていくと考えた。考えるうち負のスパイラルになった」と話している。
松竹は判決後に発表したコメントで「報道された記事内容について、事実認識はございませんが、今後然るべく確認を行い、その結果に応じて必要な対応を行ってまいる所存です」としている。芸能界でハラスメントが問題になっている今、歌舞伎界にも厳しい目を向けられていることも事実。復帰のためには、猿之助被告自身が疑惑への見解を示すことも必要になってくる。
判決前までは、執行猶予が付けば復帰への道筋を立てられると考える関係者もいた。「一歩一歩見守っていく」と、復帰をイメージしているニュアンスで話す幹部もいた。しかし、執行猶予期間としては最長の5年。執行猶予が明けるまで表に立たないという選択肢を取れば、復帰までにはかなりの時間を要することになる。