演出家、脚本家の三谷幸喜氏は2日夜、TBS系「情報7daysニュースキャスター」(土曜午後10時)に出演し、先月29日に89歳で亡くなった脚本家の山田太一さんとの思い出を語った。
司会の安住紳一郎アナウンサーに「三谷さんは脚本家の先輩ということですが…」と問われると、三谷氏は「山田さんはたとえば普通の家族や大学生の話、普通の人たちの物語に人間のエゴや美しさ、面白さをちりばめていくホンをたくさん書かれていた。静と動というと、静のイメージがあると思うんですが、動のほうもすごい」と指摘。「『岸辺のアルバム』もそうだが、ものすごいドラマチックな物語をつくるのがとてもうまかった」と、しのんだ。
一方、三谷氏らしい山田さんとのユニークな思い出も披露した。
「父と子」をテーマにTBSで2014年に放送された日曜劇場「おやじの背中」では、10人の脚本家が1話完結で脚本を担当。山田さんが第7話、三谷氏が最終話の第10話を担当した縁があったが、三谷氏は「山田さんにお会いしたのは1回だけ。30年前、渋谷にあったビデオスタジオの前の道で、山田先生が手をあげて、タクシーをひろおうとされていた」と振り返り「それを見つけたんで、ちょっとくやしかったんで、山田先生よりちょっと手前に立って、先にタクシーひろっちゃったんです。この人に勝てることは、僕はこれしかないと…」と、明かした。
安住アナが苦笑しながら「その後(山田さんと)お話はしたんですか」と問うと三谷氏は「いや、その時しかお会いしていません」と、きっぱり。安住アナは「三谷くんがなぜか私の前でタクシーを止めたというのは…」と、当時の山田さんの心境を代弁するような形で突っ込んだが、三谷氏は「持っていた台本で顔を隠しました」と述べ、カメラに向かって「先輩、すみませんでした」と、呼びかけた。
山田さんの訃報は、1日に明らかになった。山田さんは「男たちの旅路」「岸辺のアルバム」「ふぞろいの林檎たち」など数多くの名作ドラマを手がけ、日本を代表する脚本家として知られた。