「下剋上球児」出演 中山秀征の長男・中山翔貴「自分と重なる部分が多すぎる」インタビュー前編

TBS系「下剋上球児」に出演する中山翔貴(C)TBSスパークル/TBS(撮影・ENO)

中山秀征の長男で俳優の中山翔貴(24)が、現在出演中のTBS系「下剋上球児」(日曜午後9時)にかける思いを語った。7話から登場したムードメーカーの1年生投手・阪大輔を好演中の中山は、小学校1年生から16年間野球を続けた元球児。17日に最終回を迎える同作のストーリーは、自身の体験とリンクするところが多いという。【望月千草】

(後編は16日午前8時に配信)

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土煙の中で目にしたスコアボードが、涙でにじんだ。中山は、とあるシーンで涙が止まらなくなったという。「役なのか自分なのか分からなくなるくらい。そのシーンだけじゃなくて、この作品はそういう感情になることが多いなと思います」と、共感以上のものがある。

球児役キャストは、約半年間かけて野球の実技、演技審査の末に決定した。中山はレギュラー出演のオーディションで一時は落選。「このオーディションに自分としてかけていたので、1度落ちて外出できなくなるくらい落ち込みました」。だが、そこで見せた140キロの投球が評価され、”下剋上“で出演を勝ち取った。「(演じる阪は)明るい性格なので自分と重なる部分も多い」。ムードメーカーの投手役。ハマり役に充実感を漂わせる。「周りのキャストのみんなもですが、マインドは高校球児の時に戻っています。本当に部活をやっているような感覚」。現役時代に戻ったかのような、不思議な感覚で撮影に臨んでいる。

自身の野球人生を振り返れば、良い思い出よりも苦い思い出の方が多いという。忘れもしないのは、青山学院高2年の夏。16強進出をかけた東東京大会4回戦の篠崎戦だ。7回から3番手で登板し、同点で迎えた8回裏に相手の4番打者と対戦。真ん中高めのコースに投じた1球を、今でも悔いる。「(相手は)左バッターでしたね。球が自分から離れた瞬間に『あ、打たれる』と感じました」。白球は、あっという間に神宮第2球場の右中間スタンドへ吸い込まれた。「大好きな先輩たちだったので、負けさせてしまったのが悔しかった」。 真剣勝負の重みも、負ける悔しさも、嫌というほど身に染みている。だからこそ「今回のドラマは、自分と重なる部分が多すぎて。7話の前半で、先輩たちが引退するシーンが描かれているんですが、先輩たちの思いも継いで、自分が絶対に勝たせてやろうという気持ちになりました」と役にも一層の熱が入る。

自身は甲子園には届かなかった。だから、今は役とともに青春のリベンジ真っ最中だ。「この仕事していなかったら、絶対あり得ないじゃないですか。いい経験をさせてもらっているなと思う。(高校の)先輩たちも見てくれていて、出演が決まったときも連絡くれたんです」。球児役のキャストの中には、実際に甲子園出場を経験した者もいれば、中山と同じように聖地にはたどり着けなかった者もいる。「似た経験をした子も多いんです。だからみんな同じ熱量で出来るし、熱いドラマになっているなと思います」。

大学野球の名門、青山学院大でも4年間野球に打ち込んだ。「スポーツ推薦で入部した人が多い中で、自分は本当に下手くそでした。そんな経験をそれまでの野球生活でしたことがなかった」。酷な現実に挫折を味わった。公式戦に出るチャンスを生み出そうと、1年の冬にオーバースローからアンダースローに転向。「それでもなかなか公式戦には出られなかったんですけど、自分が頑張ることで周りのみんながうれしそうにしてくれるのを見て『絶対に投げ出したくない』と。なんとか踏ん張りました。生き残る道を探すというのは、大学時代に身に着いた。この仕事にも〓(繋の車の下に凵)がるところはあると思います」と胸を張る。「『下剋上球児』でもアンダースローで投手をやらせてもらった。何事も無駄じゃなかったと感じています」。

ドラマの最終回でも、中山の投球シーンが登場するという。「アンダースローで投げているので見てほしいですね。(阪は)野球部の中で、一番と言っても良いくらい野球が好きで明るい子。1年生らしいフレッシュさを見てほしいです」。全身全霊で役に命を吹き込んでいる。

 

◆中山翔貴(なかやま・しょうき) 1999年(平11)3月18日生まれ、東京都出身。小学1年生から野球をはじめ、青山学院高校時代には都ベスト16。青山学院大では、投手として東部2部リーグ優勝に貢献、7年ぶりとなる1部昇格に貢献。右投げ右打ち。大学卒業後、俳優活動を開始し、22年4月にドラマ「しろめし修行僧」(TX)でデビュー。主な出演作にドラマ「ケイジとケンジ、時々ハンジ。」(テレビ朝日)、映画「沈黙の艦隊」などにも出演。父はタレントの中山秀征、母は元宝塚歌劇団星組娘役の白城あやか