2020年に英王室を離脱したヘンリー王子(39)が、電話の盗聴やボイスメールへのハッキングなど違法な取材活動をされたとして英大衆紙デイリー・ミラーなどを発行するミラー・グループ・ニュースペーパーズ(MGN)を訴えていた裁判で、王子側の主張の一部を認める判決が下され、損害賠償を勝ち取った。英ロンドンの裁判所は15日、MGNに対して14万600ポンドの損害賠償を支払うよう命じた。
2003年から09年にかけて掲載された33本の記事が、違法取材に基づくものだったと主張していた王子は今年6月、上級王族としては132年ぶりに法廷で証言して話題になっていた。英BBCによると、裁判所は33本のうち15本について王子側の主張を認めたという。判決を受け、MGNは違法行為を認めて謝罪した。
この日の裁判に王子は出席しなかったが、弁護士は判決後に裁判所の外で声明を発表。MGNの主要取締役、法務部門、上級幹部並びに当時編集者だったピアーズ・モーガン氏(58)らは取材において明らかな違法行為があったことを知っていたか、それに関与していたことが認定されたとコメント。「組織的な違法行為があった」と非難した。名前があがったモーガン氏は現在、テレビ界で活躍しているが、95年から04年にかけてデイリー・ミラー紙の編集者を務めていた。
裁判所は、王子と共にMGNを訴えていた歌手カイリー・ミノーグに関する記事でモーガン氏がハッキング行為を知っていたとする主張を認めたというが、王子に関する記事での関与は認定されていない。判決を受けてロンドンの自宅前で英メディアの取材に応じたモーガン氏は、「これまで一貫して主張しているように、電話を盗聴したことも他人にそれを指示したこともない。それを証明する実際の証拠を誰も裁判所に提供していない」とコメント。自身が違法な情報収集したとの裁判所の判決を完全否定した。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)